【動画紹介】21世紀は文明の転換点~日本が次なる人類文明の担い手となるために~ | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

日本はこれからの人類文明を主導する国になれる可能性がある。私が衆議院議員だった頃、日本の政治家は1,000年先までの文明建設を担う大局観をもって事に当たるべし、と説かれる林英臣先生(経世史家、林英臣政経塾 塾長)のお話に、「日本新秩序」を政治理念として掲げきた私が強く惹かれたことを今でも忘れません。

その林先生に、少し長期的な視点から、コロナ後の世界の潮流について、松田政策研究所チャンネルで語っていただきました。収録と配信自体は昨年末でしたが、新春にふさわしい内容と考え、今年2021年を考える素材になればと思い、このお正月にご紹介することとした次第です。

●一年を振り返って…

ハムスターが回し車から飛び出した一年だった。からから回して運動不足の解消、ところが自分の勢いで飛び出す。これは人類の将来。文明が急速に膨張して耐えられず、止まるときが来る。

新型コロナで止まった。しかし、これで終わるわけではない。文明が高速回転し続けていた。進歩が一方通行に偏ると、人間がついていけなくなる。

もう一つ、思い知らされたのは共同体の最大の単位は国家だということ。結局、国家が人の命を守ってくれる。いくらグローバリゼーションといっても…。国家の強化を忘れた国から亡びる。国家をこれだけ意識したことは近年あまりなかった。国のかじ取りがこれだけ問われた一年はなかった。

近年では、国は何するものぞ、小さな政府が言われていたが、日本も準備不足だったし、危機管理もできていなかった。

自らの意思をもたねばならない、何のために生きているかを感じている人は困難を乗り越えられるが、軸を失った不明瞭の人は右往左往する。

 

●文明法則史学800年周期説から見て、これからが最激震期…

文明法則史学。村山節(むらやまみさお 1911年~2002年)先生が唱えたもの。マクロの観点から、文明や社会を動かすものは何か。歴史を動かす要因とは自由意志であり、その集合体が社会だと言われているが、自由意志には何らかの傾向、波がある。

文明や社会は物質文明だと考える見方に対し、生命原理で考えると、社会や文明にもエイジングがある。

それは国家にもある。若々しいとき、活躍するとき、矛盾だらけで下降し、とうとう倒れる時がある。エイジングで世界文明が動いてきた。それに基づいて、世界の文明を研究、1万年分の歴史を刻んだ。

そのパターンをみると、世界の文明は東西に分かれ、交互に栄える。栄える周期のずれで800年周期で文明の中心が入れ替わる。

今度の転換期がいま現在の21世紀。現在は、その暴風域にある。そこで圧力が強くなるのが、2025~2050年あたり。このショックが現れている。

衰退する米国、コロナ禍でもますます膨張するチャイナをみていると、文明レベルでは、これからが最激変期になる。

800年前はルネサンスであり、そこから西洋、その前は東洋、ということは、次の800年は東洋が伸びていく。

ルネサンスの前段階に12世紀ルネサンスあり、十字軍の遠征で欧州に持ち帰ったものの中に、ギリシャ・ローマも帝国で育んだ文明がイスラムに行き、それが持ち帰られた。それでボローニャ大学、オックスフォード、ケンブリッジなどが創られ、それが欧州文明の基礎になった。

新局面に入る前の激震を乗り越えられるかが、私たちに課せられた試練。激震期の前触れが昨年だった。800年前にモンゴル族が欧州にのしかかり、あともう一歩で欧州は崩壊寸前だった。本国で大ハーンが亡くなり、全部族が集合し、危機化した。東アジアの力が欧州を揺るがした。

今回の武漢発コロナが比べうるかもしれない。また中国からのインパクトだった。

 

●過渡期の覇者である中国共産党はいずれ終焉する…

では、中国が中心となる文明になるのか?

2つの物差しがある。800年毎が一つ。もう一つがソーシャルシステム(SS)。これは社会秩序の変遷をみる物差し。中国は各王朝がそれぞれ一個のシステム。清朝で一個のシステムだったが、辛亥革命でそれは終わった。その後100年、SSの過渡期の谷間に、今の中国は位置している。

谷間の中央に必ず起こる勢力がある。それは前のSSを地ならしする、過渡期の覇者である。

日本では平氏政権や幕末の井伊直弼がこれに相当する。強権発動の圧力であり、それで古いものを終わらせる。

それが中国共産党政権だ。過渡期の覇者なので、すぐに終わる。それは恐らく2030年だろうと研究所では出している。

文化が起こるためには2つのことが必要。一つは秩序。もう一つは自由度。これがないと創造的になれない。現在の中国は自由を奪い取っており、これでは新しいSSは起こらない。

仁、義、徳など、元来の王道国家は早くても今世紀後半。これがないと、いくつかに分裂する。どの勢力と組まないといけないか、日本は考えなければならなくなる。

習近平の目に余る行動。過渡期の覇者が中国共産党と習近平だと考えれば、次の秩序に向けた混沌の時代が何十年も続く中で、中国自身がその前に内部から動揺する。

米国もSSはまだ命脈を保っているが、2030年までには米国も終わる。1776年の独立戦争で始まり、19世紀に成長し、20世紀になる頃に英国から先頭者のバトンを渡され、1960年代までに最盛期となったが、ベトナム戦争以降、下り坂、もう終わろうとしている。

今回の大統領選挙をみても、今までの米国が変わっている。下り坂と奇しくも一致している。

生命現象として捉えると見えてくるものがある。ソ連を打ち負かした最強の米国は衰えることなどなく、200年栄えるとも言われた。しかし、年齢を逆回転させることはできない。こうした見方によって、大局観が養われる。

 

●日本が次なる人類文明の担い手となるために…

日本は次の文明の担い手になる可能性は十分にあるが、努力次第だ。足元に大事なものが眠っている。

一つは、日本が古来持っていた多神教。これは単なるアニミズムではない。根源多神教。大宇宙をつかさどる根源となる神がいて、大宇宙を司る。あらゆるものが尊い。各民族が持っている伝統、言語を認め合う時代を創っていく。その文明をどこが導くかといえば、日本人だ。そのことに日本人が気が付いていない。

日本もこれから新しいSSが誕生するときだ。明治以降、昭和の敗戦までが一個のSS。戦後復興でバブルを頂点とする小さなSSがあった。これから数年のうちに新しい動きが台頭する。

新しい章を興す政治を創るべし。新しい日本を興す政治家が誕生してほしい。

SSが誕生するときには、原点回帰が起こる。深いところにある日本の原点は縄文にある。日本には何層にもわたり、汲み上げるべき原点がある。大和朝廷、古墳、神道、平安の国風文化、武家社会、幾重にもある。江戸時代の日本の暮らしは循環社会のモデルになる。戦前も日本回帰の動き。安岡正篤の活動など。独立自尊と自由の気概に溢れた明治大正経済システムもある。

何層もあるので、どこなのかといえば、それぞれ自分が特にどの層から原点をくみ取って新しい日本を興せるかを、我々国民は楽しむべき。ブレンドしてもいい。それは日本が2,000年以上にわたって途切れていない歴史を営んでいるからこそ、できること。

志を持った政治家が大事。林塾は15年目。焼け跡から孤児…よく生き残った、そういう若手を探し歩いて塾をやってきた。日本の原点を素直に受け止めてくれている。

ただ、個々に頑張るだけではだめなので。志ある政治家が肩を組んで国民運動で日本を変えていくべき。できるだけのバックアップで若い政治家が活躍できるようできるようにしたい。

 

…林先生は、番組の最後に、松田のような者が議員を続けられないこと自体が日本の政治の貧困さを象徴していると番組でおっしゃっておられますが、これは私個人のことよりも、先生が指摘するように、「いまの日本は埋もれているものがあり過ぎる」という文脈で捉えたいものです。実は日本は素晴らしい国なんだと分かっている国民が増えれば、政治家も日本も変わっていくでしょう。政治を志す者だけでなく、できるだけ多くの日本国民が、2,000年以上にわたって原点回帰のモデルが連綿と存在する日本の歴史を知ることを通じて、新しい国づくりの国民運動を興していきたいものです。

「2020年を振り返る、”文明の転換点”が来ている文明法則史学とは?」(ゲスト:林英臣氏)