人間の生を包括的に捉える新しい医療健康システムの構築へ、松田まなぶが視た未来健康共生社会研究会 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

人間の生を包括的に捉える新しい医療健康システムの構築へ、松田まなぶが視た未来健康共生社会研究会

 

 地球人類70億人、各自にそれぞれ存在意義があり、誰もが幸福追求権を持つと同時に、地球の存続に貢献する責務がある、これからの医療は、このことをサポートするものであるべきである。その柱は、①予防、②エコ、③セルフケアの3つである…。

 渥美和彦先生(渥美和彦記念財団代表理事)の、この言葉から始まった第7回「未来健康共生社会研究会、公開シンポジウム」(2016年9月16日、於:東京大学本郷キャンパス内の医学図書館)は、人間の生に包括的に向き合う新しい医療と社会システムへの模索が日本でも始まっていることを感じさせるものでした。

 私、松田まなぶは、10年前に、財務省から東京医科歯科大学教授に2年間の出向をした頃から、「活力ある超高齢社会の運営モデル」を世界に先駆けて構築することを日本の次なる国家目標として設定し、日本の全体システム再設計の中核に医療システムを据え、医療界の方々とのネットワークを広げて色々な議論を展開してまいりました。

 同時に、活力ある超高齢社会の地域モデルとして、私が若い頃に税務署長として勤務した兵庫県淡路島に対し、農業シニアリビングコミュニティー構想を地域再生構想として提唱していました。

 その時の同志が、今回のシンポジウムでも再会した本澤実氏で、彼とともに、ミネラル豊富な健康に良い食材を循環型エネルギーを活用して展開する「エコ・アグリ」を、植物工場や太陽熱、あるいはバイオマスなどの最先端技術を導入して、江戸時代からの「身土不二」を日本型モデルとして再構築する構想を提案しておりました。

 その後、衆議院議員として、こうした活動も本格的にサポートしようとしていた矢先の衆院解散で落選し、私の動きは中断していますが、本澤氏は、別の地域で実を結ばせようとしています。

 他方で、現在、私は、新しいタイプの医学部を埼玉県に設置することを国家戦略特区として提案することをお手伝いしています。

 つまり、現在の医療システムができた1961年頃とは、国民の疾病構造が感染症から慢性病中心へ、つまり、完治ということがなく、何十年も病気と付き合わなければならない疾病形態へと大きく変化したこんにち、医療も、単に病気を治すものから、病気と向き合う人々をトータルにサポートする営みへと変革を迫られています。

 そうなると、様々な分野の専門的知識やスキル、経験を有する多様な医療人材を養成することが不可欠になります。これは、心理学や衣食住、地域コミュニティーなど、まさに、人間の「生」全般と関わってくる課題です。

 その中で出会ったのが、私が執行役員をしている大樹リサーチ&コンサルティングの顧問先である現代建築研究所の飯田修一社長で、彼は、多世代交流コミュニティの構築や、植物工場と魚の養殖場との組み合わせで地域を再生する構想などで活躍しています。

 飯田社長は前記の本澤氏とも親しく、私は彼からの誘いで、本シンポに参加し、共通項を持つ我々3名が東大の会場で再会した次第です。

 本シンポのキーワードは、衣食住、セルフケア、自然の中で人々が生きる環境、国際的なモデルの構築、防災医学、医師中心から患者中心の医療へ、生まれてから死ぬまでの包括医療、「新」健康都市計画など様々でした。

 印象的だったのは、ヘルシー住宅、ヘルシー衣料、ヘルシー食料といったテーマで、それぞれの研究者が人間学、あるいはコミュニティー論など多角的観点から「健康」のサポートを論じていたことでした。

 例えば、健康とは、Well-Beingであり、フィジカル、ソーシャル、メンタル、スピリッチュアルの4つの位相から捉えられるものであり、人間とはすなわち、Body+Mind+Spiritsであって、特にSpiritsという霊的な視点は欧米では当たり前であるという点は興味深い論点でした。

 住宅というものも、これらを踏まえ、多世代、他分野、多職種の参加型コミュニティーとして「ユニバーサルデザイン」をもって構築されるべしということです。

 高齢者でも農業ができる植物工場と再生型ニュータウンを結合させ、次世代型高齢者住宅を構築する、こうした本澤氏の実践や、医療介護から日常生活まで取り込んだ地域包括ケアを構築しようとする飯田社長の考え方などが紹介される中で、突然、デンマークの事例をプレゼンしてほしいと、私も指名を受けました。

 そこで私が紹介したのは、衆議院議員のときに視察で訪れたデンマークでは、個人番号制度を遺伝子情報にまで結びつけ、「バイオバンク」ですべての国民の検体情報が管理されていること、こうした高度な医療健康関係情報の共有により、国民の包括的なケアのみならず、医療・創薬イノベーションでGDPの2割を稼ぐ「メディコンバレー」の展開まで可能になっていることなどです。

 住環境だけでなく、衣料については、ファッションが高齢者の心身に大きな影響を与えることへの考察を深めるべきであることや、食については、健康寿命を延伸させる上での食品の機能性と摂取との関係の研究の必要性などが提言されていました。

 また、私がマイナンバー制の次なる課題として提言している医療・介護のIT化や、経済成長や地域再生のフロンティアにもなる介護予防・健康関連事業の展開、さらには、AIの活用や遠隔医療など、「健康」を軸とした次なる社会の展望が具体的に示されていた点も興味深いものでした。

 私、松田まなぶは、かねてから「健康」、「食」、「環境」の3つのバリューを柱に「日本新秩序」を唱えてまいりました。これらを、最先端技術の導入にも支えられる形で有機的に結び付け、新しい社会システムを構築することで「世界のソリューションセンター、ニッポン」を実現していきたいものです。

 これは、政治の場で正面から取り組みたいテーマです。