松田まなぶ、石坂典子・石坂産業社長と対談、リサイクル先進国を語る。 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

石坂産業社長の石坂典子氏は、斬新な発想で産業廃棄物のリサイクルを考え、業界を変革する第一線に立つ女性経営者です。
新里山主義を掲げて地域と共存する本社には、安倍総理からの示唆で茂木経産大臣(当時)も訪問、年間1万人を超える人々が見学に来ているそうです。

社団法人エコリサイクル推進機構の理事長に就任した松田まなぶは、埼玉県にある同社を訪れ、石坂社長と対談、題して「リサイクル先進国をめざして」。
環境問題の根っこの部分にある産廃のイメージを変え、単なる処理から再生、そしてエネルギーなど付加価値を生み出すビジネスフロンティアの開拓へと、循環型社会構築を先導者としての意気込みを、石坂社長から感じました。

対談内容は同機構の第一号会報誌に掲載されます。
以下、簡単に、その要約を掲載します。



<松田> 循環型社会で世界を先導することは、日本の国づくりの重要な柱だと考える。「産廃」というと色々なイメージが持たれがちだが、「新里山主義」を掲げ、自然環境という価値を創造して地域社会に貢献している石坂産業の基本哲学は何か。

<石坂> 産廃という言葉を変えていくタイミングになっている。大量生産、大量廃棄を続けてきている今、日本は食料の廃棄率が世界一という現状を考えると、自分たちの環境に対する意識や価値観を変えていかなければならない段階になっている。
 産廃業界も単に処理するという業界から、環境ということを考えて普及していく活動へと事業形態が変わっていく。
 また、最近、食品廃棄物の問題が話題になったが、処理のコストは安ければ安いほど良いという発想だけでは、適正な処理が担保されない。そこには「フェアトレード」の概念が必要になっている。



<松田> 経済学には「外部不経済」という言葉があるが、利潤追求の市場経済では処理できない社会的コストをどう賄うかという問題が常にある。
その役割は政府にあるとされるが、税金だけだと大きな政府になってしまう。
これを民間の経済活動の中で付加価値を生み出すことで解決していく創意工夫を、企業経営の世界で実践するモデルを生み出していることに敬意を表したい。

<石坂> 例えば、廃棄物を原料化するために、焼却したり溶融したりするバイオマス技術には、日本特有のものがある。
世界をみると、そのほとんどが埋め立てに回っているが、それは持続可能な社会にはつながらない。埋め立てに頼らない技術はもっと注目されるべきであり、私たちの原料化リサイクル率は世界に売り出せると思っている。
さらにそこから、私たちはエネルギーを生み出す産業へと変わることをめざしている。リサイクルビジネスそのものが、また新しいものを生み出していく。そういうフロンティアを開拓していきたい。



<松田> これまでの20世紀型の西洋文明では、成長によって文明自体は量的に拡大していくが、これからは地球と共存する循環型の文明に変えていかなければならない。
21世紀において、その先頭に立つのが日本だと考えている。
日本は世界一、素晴らしい土壌に恵まれており、そこから環境という価値につながっていく。それは健康という価値とも密接な関係を持つ。
健康と食と環境は、日本がこれから21世紀型の価値創造で世界を先導する先端分野になると考え、これを軸に、私は「日本新秩序」を日本の国づくりのあり方として提唱している。
その柱となる「リサイクル」の分野で、今後とも新しい価値創造に取り組んでいかれることを大いに期待している。