料理は色々、お会いする方も色々、野田前総理は当時、何を考えたのか。 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 このところ毎日のように、各界の色々な方々と会食などをしながら、国のあり方を考える日々が続いておりました。その中には、国会でお世話になった衆議院議員の方々もいらっしゃいますが、某日、都内の某所にて、野田佳彦前総理とも食卓をご一緒いたしました。民主党政権は特に鳩菅政権のときの評判がよくありませんが、こと野田総理については、党利党略を超えて国の財政を考え、国益を優先させた国士として、保守の立場からみても真っ当な総理だったと多くの方が評価しているようです。私自身、政治への思いとして、日本に国家経営システムを確立し、「次世代」という軸を政界に打ち立てたいということがありますが、野田前総理も、それは自分も追求してきたことだということでした。超党派で、真に責任ある有為な政治を創れないものかと思います。

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 ふりかえってみると、かつて私が初めて衆院本会議の代表質問に立ったとき、私以外は各党とも大物が次々と登壇する中、ほとんど私だけが新人だったことがありました。そのとき、私の直前に立ったのは野田前総理で、その久しぶりの国会登壇がメディアでも報道されていましたが、そのときに野田前総理が定数削減など選挙制度改革について、2012年の衆院解散の前提として自民党と交わした約束が反故にされていることを滔々と述べていたことを鮮明に思い出します。当時の「近いうち」解散は、意表を衝いたものでしたが、ある意味で、正直で実直な政治をしていたように思います。

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 その後の劇的な政権交代、安倍政権の発足で忘れられがちですが、当時の野田総理は、民主党の惨敗という、党利の面では大きな犠牲を払ってでも、社会保障と税の一体改革、財政健全化という、党を超えた国家の次元で総理という職責を果たそうとしていたと思います。それは、消費増税への賛否を超えて、政権のあるべき重さとは何なのかを考えさせてくれるものでした。いずれにしても、この日は、当時、民主党政権の失政をカバーしながら、国益を愚直に追求しようとした前総理から聞きたいと思っていた思いを色々と聞くことができました。

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いま、安倍政権は安保法制について、これも国民に不人気な政治をしています。支持率の維持や政権期間の長期化も、ときの政権にとっては大事なことかも知れませんが、集団的自衛権など安保法制で目指すところが本当に国益上必要不可欠と考えるのであれば、目先の支持率などは気にせずに、ブレることになく正々堂々と国会で国益とは何かを問い続けるべきでしょう。その審判は、次の国政選挙における有権者による投票行動が下します。
 ただ、野田政権の消費税率引上げ決定にも、安倍政権の今回の安保法制にも、共通に欠けているものがあるように思います。それは、有権者が的確な判断を行い得るだけの素材が分かりやすく提示されていないことです。世界的にみても賢明なる日本国民が自らの納得の上で選択を行えるような環境を作り上げることこそが、政治家としての本質的な仕事であることは言うまでもありません。

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 写真はいずれも、野田前総理とは関係のない、別の場で撮ったものです。大下英治氏の勉強会では、小野寺五典・元防衛大臣と久しぶりにお会いできました。料理は、これも全く別の場で撮った上海料理やウイグル料理です。