解散総選挙はアベノミクスの失敗と経済運営への無責任を自ら公言するもの~衆院・財務金融委員会で麻生 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 今回の解散、大義が全くありません。消費税の増税に賛否両論がある中で、増税について国民の信を問うということなら分かります。しかし、世論調査では7割もの国民が予定通りの消費増税に反対し、野党もそろって増税先送りを主張している中で、与党も増税先送りを決めるのであれば、そのこと自体は争点にもなりません。
 むしろ、法律で決められた消費増税を先送りせざるを得ないぐらい経済が悪いと認識し、まだ来年10月まで1年もあるのに、その時点で消費税率を2%上げただけで再びデフレに陥ることを恐れていること自体、アベノミクスが失敗し、今後1年の経済運営にもコミットできないことを、政権自らが認めることになります。ですから、アベノミクスも争点になりません。解散総選挙は、「私たちは経済運営に失敗しました、悪うございました。」というメッセージになります。アベノミクスについて国民の信を問うなら、安倍政権は最初から、政権としての正当性を自己否定することになります。

1

 11月12日、私は、午前中の経済産業委員会での一般質疑に続き、午後の財務金融委員会で一般質疑に立ち、このことを麻生太郎・財務大臣にぶつけました。麻生大臣は否定していませんでした。このような大義なき解散総選挙、それ自体、国民の立場からみて意味のない、単なる600億円もの税金の無駄使いです。国民目線から遊離して「自己都合選挙」をする安倍政権、とても残念です。自分たちの政権維持しか、選挙に踏み切る理由がありません。

2

 黒田日銀総裁には、金利上昇を抑えるために「やめられない、止まらない、日銀による国債大量購入」が日本経済にとってのリスクを拡大していることを指摘しました。また、消費増税先送りで日本国債への信認が低下すれば、そのような国債を大量に買い続けることは、日銀として受け容れられないことになるのではないか、と質しました。これでは、アベノミクスの最大の柱である「異次元の金融緩和」を継続できなくなります。日銀が国債を買いまくってくれるから、海外勢も日本の国債を買い、金利が低い状況が維持されています。この点でも、消費増税の先送りはアベノミクスの自己否定です。
 質疑では、私たち次世代の党として提案しようとしている、アベノミクスに代わる新たなマネー供給の仕組みについしても取り上げました。それは、世界最先端の技術・資源開発など、未来への投資を国家主導で推進する基金を100兆円規模で日銀に設けて、将来にツケを残さないニューマネーの積極的な投入で景気を浮揚させることです。麻生大臣は海外にも事例がないと答弁していましたが、そのようなことは承知の上での経済政策革命です。例がないわけではありません。米国の中央銀行(FRB)は、近年の量的緩和政策の中で、政府支援企業が発行する債券を直接、購入しています。

3

私の質疑の模様については、こちらの動画でご覧になれます。

私の質疑のポイントについては、「松田まなぶの論点 アベノミクスの失敗を自ら認める安倍政権」にまとめました。
今回、私が質疑で取り上げた論点は、次のとおりです。詳細はぜひ、こちら↑をご覧ください。
●財政制度審議会に報告された「財政の長期推計」は、現行制度のもとでは、大幅な歳出削減ができない限り、10年以内に最低、30%近くまで消費税率をアップしなければ日本の財政は持続可能ではないことを示すものではないか。
●今般のトータルで5%の消費税率引上げのうち、将来へのツケ回しを減らす部分は、現時点での国民経済的な負担の純増分といえるが、これは、これまで日本の政治が課題の先送りを繰り返してきたことがもたらしたものではないか。
●一年後の来年10月の時点での消費増税の是非の判断に迷っているのは、その時点になっても経済は改善していない、つまり、アベノミクスも今後の経済政策も、結果として一年後の時点で成功していないことを想定していることになり、今後の経済運営に対する政権としてのコミットメントが問われることにならないか。
●消費増税先送りとなった場合に懸念される国債投げ売り、金利急騰などのリスクに対して、そのリスク管理を、どう考えているのか。対応策はあるのか。
●短期金利がこれ以上、下がらない中で、国債購入によって長期金利上昇を抑制すれば、銀行にとっては融資の利ざやの確保が困難になり、かえって銀行の融資を抑制する方向に働き、マネーストックの増大を抑制することにならないか。
●長期金利上昇を抑制しようとして国債購入を増やせば増やすほど、市中の国債マーケットの厚みが低下し、何らかの要因で長期金利が上昇するリスクが、かえって高まっていくのではないか。
●消費税率10%への引上げが先送りされた場合でも、日銀は現状のような国債大量購入を続けるのか。国債への信認が低下した場合、そのような国債を大量に購入・保有することは、通貨の番人として受け容れられることなのか。
●消費増税の先送り→国債への信認低下→長期金利の上昇→銀行保有の国債価値の毀損による信用収縮によって、欧州債務危機型のデフレリスクが日本でも懸念されると考えるか。
●日銀がマネーを増やそうとしても、日銀が専ら銀行にマネーを供給しているだけでは、そこから先の実体経済にマネーが思うように回らないのであれば、日銀が自らリスク資産を購入する、あるいは、例えば、政府保証のついた国家主導の技術開発に投資するなど実体経済に直接マネーを供給する仕組みを構築することを検討することは考えられないか。
総選挙で今後の政策運営を掲げて国民に信を問うとしても、有権者に何の選択肢も与えることになりません。やるべきことは決まっているからです。それよりも、早く政策を実行することがはるかに大事。選挙をしている余裕はないはずです。この点でも、安倍政権は国民にも経済にも、背を向けてしまいました。

4