松田まなぶの論点 原発を考える視点~世界の課題解決センターニッポンは「日出国」~ | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

5月30日 衆院内閣委員会・原子力委員会設置法の一部を改正する法律案審議
松田まなぶの質問のポイント 答弁者:山本一太・科学技術政策担当内閣府特命担当大臣、政府参考人(倉持隆雄・内閣府政策統括官)


1.世界の原発の安全性と原発再稼働
・3/11で日本は特別な使命を帯びた国に。課題先進国といわれる日本は日本型ソリューションを世界に提示する国。日本新秩序→新たな世界新秩序へ。循環型、地球との共生型。
・フクシマを起こした国としての国際的責務もある。
・新エネルギー体系について人類的使命。再生可能エネルギー…基本。
・もう一つ、原発から「逃げ」の姿勢は許されない。日本が原発をやめるだけでは無責任。
・なぜなら、地球の人口は爆発。エネルギー不足深刻化。世界中が原発を新設する動きを日本の力で止めることは不可能。これが現実。⇒向き合う責任。



(問) 福島事故を起こした国の責務として、日本は世界の原発の安全性向上に寄与する国になることを国是として掲げるべきではないか。そのためにも日本が今後とも原発技術を維持するとすれば、国内で商用原発を稼働することが不可欠の前提になるといえるのか。
⇒答弁(山本大臣):安倍内閣の方針は、閣議決定された新しいエネルギー基本計画の中で、「事故の経験と教訓に基づき、安全性を高めた原子力技術と安全文化を共有していくことで、世界の原子力安全の向上に貢献する。」とされた通り。
  答弁(倉持参考人):原発の依存度にかかわらず、今後も原子力に係る研究開発や人材育成を進め、技術と人材を維持していくことは大変重要。その意味で、身近にプラントがあるということは優位。
⇒松田:ベターということで、マストかどうかはご答弁がなかった。

2.将来の核融合のために原発技術は不可欠か
・「日出国(ひいずるくに)」の由来は、紀元607年、聖徳太子が隋の皇帝の煬帝に送った国書に「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す、恙なきや」と記したこと。
・当時世界には、西にはローマ帝国、東には隋という二つの帝国。その東の大帝国に対して日本の聖徳太子は、対等の関係を堂々と宣言。
・まさに独立自尊の日本。エネルギーも独立自尊を。
・「日出国」とは、太陽がその東の海から昇る国。
・海を源として太陽を昇らせるものとも表現できる核融合エネルギーは、「日出国」日本のシンボル。
・東から日が出ずる元である海(自然エネルギー源の宝庫)に位置する日本は、その恵まれた海洋資源の活用に活路を開きながら、地球のすべての源である太陽が地上に降り注ぐエネルギーのフローの循環を活用するエネルギー革命を先導する国になる。
・聖徳太子が「日出づる処」の国と自国を定義してから1413年を経た東京オリンピックの年に、日本がこのような国として自らを改めて再定義できれば、本物の「日出国」。
・将来的には、人類の究極のエネルギーとされる核融合を日本が世界に先駆けて実用化することになれば理想。
・核融合が利用する資源は海水に含まれる重水素。ほぼ無尽蔵のエネルギー源。
・太陽が放出しているエネルギーの源は、太陽の中心部で起こっている核融合反応。
・核融合の実用化とは、海洋資源を活用して太陽そのものを地上に創ることでもある。



(問) 将来的に核融合の実用化を実現する上で、国内で原発技術を維持向上させることは、不可欠の条件になると言えるのか。相互にどのような関わりを持つのか。
⇒答弁(倉持参考人):核融合と今の実用炉の核分裂を利用する原子炉とは原理的には異なるが、大きなプラントでもあり、トリチウムの取り扱い技術や冷却技術など、関連する技術という部分がある。核融合技術は巨大なシステム技術なので、今後の技術開発の中で、原子力技術を初めとしたさまざまな分野と連携していくことが必要。

3.トリウム発電への取り組みについて
・原発事故はそもそも燃料が個体であることに原因。核分裂反応は化学反応→液体で取り扱うべきもの。⇒溶融塩燃料:反応のコントロールが容易、炉の構造も単純化、保守・点検が簡単に。ロボットなどによる遠隔操作も実現。
・ウランだとプルトニウムが発生。トリウムはほとんどプルトニウムを生まず。
・ウランは世界に偏在。トリウムは世界中にあり、埋蔵量も十分。
・核兵器の脅威からも人類を救う。
・再生可能エネルギー、核融合などが実現するまでの間、核分裂の原子力でつなぐしかないなら、安全、高効率、小型のトリウム原発で。
・原子力委員会は2012年12月に発表した見解「今後の原子力研究開発の在り方について」において、トリウム利用についても、「国は技術開発を前進させている」として「中長期的取組の継続」を研究機関等に促している。
・これもフクシマ事故を起こした日本の責務ではないか。

(問) 第四世代の原発、とくにトリウム発電については、政府は研究開発段階として明確なコミットはしていない。原発に伴うリスクを大幅に軽減できる技術であることが明らかであるにも関わらず方針が定まっていないのは、国の原子力政策の在り方として問題ではないか。
⇒答弁(倉持参考人):トリウム利用については実用化に向けた研究開発段階。原子力委員会として、今後とも引き続き今の研究開発の進捗状況を注視してまいりたい。

4.放射性廃棄物の最終処分の問題解決は困難なのか
・日本維新の会の有志で六ヶ所村の日本原燃を視察した。技術の現実を知らずして原発は論じられないと感じさせる。
・地下400mに核物質を埋める最終処分方式で世界的に注目されているのがフィンランドのオルキルオト…「洞穴」を意味する「オンカロ」と名づけられた長期地下貯蔵設備。
・それは「直接処分」方式。放射性のレベルが極めて高い段階でなされる。
・使用済燃料を再処理せずに、直接処分した場合、貴重なエネルギー資源のウランやプルトニウムなどをそのまま捨ててしまう。また、天然ウランのレベルまで放射能の毒性が低下するのに要する時間は軽水炉燃料サイクルの1万年に対して約10万年。
・日本原燃が取り組んでいるリサイクルでは、高レベル放射性物質の廃棄物を「ガラス固化体」化。使用済燃料を直接処分する場合に比べて体積が3分の1から4分の1に低減。処分場の面積も約半分から3分の2に低減。
・日本原燃では、全国の各原発施設から出る「核のゴミ」をこの形で中間貯蔵する場所が、40年分、確保。ガラス固化体の形での貯蔵期間は技術的に30~50年が適正。地下300m以深の地中への「最終処分」は、その後になされるもの。
・「トイレ」の問題は、最長で40年後までに解決しておけばよい。
・高速増殖炉サイクル…核燃料を消費した以上に生産(増殖)できる原発技術で、エネルギー問題の解決だけでなく、この過程で放射性廃棄物が低減。「トイレ」の問題解決にも寄与。日本が高速増殖炉について有する技術は世界のトップクラス。



(問) 青森県六ヶ所村の日本原燃では、全国の各原発施設から出る放射性廃棄物をガラス固化体の形で中間貯蔵する場所が40年分、確保されており、この形態での貯蔵期間は技術的に30~50年が適正とされ、地中への「最終処分」はその後になされるものであることから、最終処分地は最長で40年後までに決めればよいのではないか。その間に決定できないと考えるのは民主主義への悲観論であり、また、より安全な処分方法が見つかることが期待できないと考えるのは人類の知恵に対する悲観論とも思われるが、科学技術担当大臣としてどう考えるか。
⇒答弁(山本大臣):科学の進展に応じて新たな知見を反映できるように、段階的かつ柔軟に意思決定しながら進めることを条件に、地層処分を妥当な選択とし、定期的に最新の知見で評価することが重要と認識。

5.最終処分地決定に市民参加型リスクコミュニケーションを
・元動燃事業団理事・坪谷隆夫氏が提言。
・最終処分地の選定が進展しない原因として選定の「仕組み」を挙げている。
・2000年に制定された「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基づき、電気事業者の発意で設立された最終処分実施機関。選定に取り組んできたが、10年以上の歳月と500億円を超える事業費が費やされている。
・欧州では20世紀末にBSE問題が引き起こした社会不安を沈静化する上で市民参加型の意思決定手法が力を発揮。21世紀に入り、高レベル放射性廃棄物処分政策でも、この方法を導入して処分地選定が進展。
・市民が表明した意見が意思決定に反映される仕組みが法的に担保。
・OECDも、「意思決定プロセスは『決定、通知、擁護』型モデルから、『参画、相互作用、協力型』モデルへの転換が必要としている。



(問) 高レベル放射性廃棄物の最終処分地の決定については、これまでのトップダウン方式ではなく、国の責任のもとに、新しいリスクコミュニケーション制度を導入した欧米諸国の動向を踏まえた、市民参加型(国民・地域社会参画型)の意思決定手法が提案されているが、この考え方についての所見如何。
⇒答弁(倉持参考人):原子力委員会は「処分に係る技術と処分場の選択の過程を社会と共有する仕組みを整備すること」などを見解として示しているところ。エネルギー基本計画においても、国が「多様な立場の住民が参加する地域の合意形成の仕組みを構築する。」というふうにされているところ。高レベル放射性廃棄物の最終処分については、実施官庁である経済産業省だけでなく、研究開発を担当する文部科学省等も含めた省庁横断的な検討が必要。原子力委員会においては、各省における状況を注視し、省庁横断的な課題や長期的な取り組みについての検討が必要というふうに考えており、そういった取り組みの中で参加型のやり方ということについても深めていきたいと考えている。

6.核燃料サイクルを通じた国際貢献
・使用済み燃料の処理で発生するのが、核兵器に転用可能なプルトニウム。
・核リサイクルは、それを原発の燃料として再利用。
・核兵器不拡散条約(NPT)。核兵器を持たない日本は、その批准国として、利用目的のないプルトニウム、すなわち余剰プルトニウムを持たないとの原則を明確に示す。
・こうしたリサイクルを営むことで原子力の平和利用で世界を先導する国としての期待と信頼を国際社会の中で集めることも、平和国家ニッポンの道行き。
・世界的に続く新規原発建設の動きにストップをかけることが現実的に不可能だとすれば、使用済燃料の処分、再処理や再処理後のプルトニウムの利用・処分などをどのように行うかは、ますます重大な世界的課題に
・これは、日本が今後、自国の原発依存度をどうするかにかかわらず、向き合わなければならない課題。

(問) 日本の国際社会の中での位置づけや国柄、あるいは、唯一の核被爆国として、また、核兵器非保有国の中で唯一、核燃料サイクルを進めてきた国であることに鑑みて、核燃料サイクルを通じて国際的に貢献することが世界の「課題先進国」としての日本に問われているという見方について、科学技術担当大臣としてどう考えるか。
⇒答弁(山本大臣):世界の原子力平和利用、核不拡散への貢献について、非核兵器国としての経験を生かしていろいろな貢献をすることは非常に大事。こういう取り組みについては、IAEA等の国際会議の場で発信しているが、今後ともそうした活動を進めていくことが大事だと認識している。