松田まなぶ 道路諸税の暫定税率とJR北海道問題につき国土交通委員会で質疑 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 これからますます厳しい財政再建が求められてくる日本では、交通インフラの財源負担のあり方についても、多くの国民や関係者が納得できる明確な論理立てがより一層問われてきます。5月31日、衆院国土交通委員会の一般質疑で、かつて一般財源化されたはずの道路特定財源の暫定税率の問題と、昨年11月にも本委員会で集中審議を行ったJR北海道の経営基盤の問題を取り上げました。

 質疑の様子はこちらから「松田学」を選択して動画をご覧ください。



 道路整備という特定目的のために受益者負担の原則で道路利用者に負担を求める「道路特定財源」は、道路利権やムダな道路建設の象徴として、小泉構造改革のもとで改革が議論され、2009年度から廃止されたものです。しかし、その後もガソリン税などの道路関係諸税には、以前と同様の「暫定税率」という高い税率が残され、こんにちに至っています。
 最近では、特に石油価格の高騰で苦しむトラック運送業界からは、地方税である軽油引取税の負担軽減を求める声が高まっています。また、この税金が道路とは直接関係ないことから、これまで船舶や農業関係については免税措置がとられてきましたが、そもそも一般財源化で道路特定財源ではなくなった以上、そのような免税措置それ自体に根拠がなくなっているのではないか、業態間で税負担の不公平が発生しているのではないか、という声も高まってきました。
 暫定税率が維持されている背景には、国や自治体の苦しい財政事情がありますが、一般財源化された以上、もし課税を続けるなら、明確な理屈が必要です。太田国土交通大臣以下、政府に、この点について質しました。



 度重なる事故で世間を騒がせてきたJR北海道の問題については、昨年11月に当時の野島社長を呼んで行った質疑でも、私は、目前の矛盾の背後にある「主要矛盾」に目を向けるべきこと、それは経営安定基金の運用益が金利低下で大幅に減るなど、JR北海道の経営陣にとってはいかんともしがたい経営基盤上の仕組みに由来する問題であり、国の側にはこれを再構築する責務があることなどを指摘しました。当時、このような本質論から問題に迫ろうとした委員は私だけでしたが、その後、この面での仕組みの組み立てについて、国はきちんと手を打っているのかどうかを太田大臣に質しました。
 この問題は、運輸政策のあり方に大きく関わるものです。道路であれ空港や港湾であれ、利用者負担では回らない部分については税金投入をはじめ、資金が回るための仕組みが講じられているのであり、それは鉄道も同じはずです。地域全体で交通体系をどうするかを統一的に設計する視点から、国としてどう考えるかという問題でもあります。

 私の質問や議論のポイントは、「松田まなぶの論点 交通インフラに問われる税負担の論理の明確化と全体設計~道路特定財源とJR北海道問題~」にまとめましたので、こちらをご覧ください。

 軽油取引税の負担格差の是正については政府からやや前向きの答弁が得られましたが、道路、JRのいずれの問題についても、政府としての国民に対する「説明責任」は十分に果たされていないと感じました。
 超高齢化社会で税負担の問題が世界で最も先鋭に突き付けられることになる国が日本です。税制は財政当局の問題だとして逃げるのではなく、インフラを所管する立場として、これに関わる受益と負担の論理や全体設計については、自らきちんと国民に説明できる言葉を持たねばならないと思います。政治家の説明能力がますます問われてきていると思います。