松田まなぶ 安保法制懇の報告書に関して菅官房長官に、経済やTPPに関して甘利大臣に質疑。 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 5月23日に内閣委員会で一般質疑、菅官房長官はフルに出席可能、となれば、ちょうど安保法制懇の報告書が出て初めてのタイミング、集団的自衛権の国会論戦が本格化する前に内閣委員会としてこれを取り上げないわけにはゆきません。新任の横畠・内閣法制局長官も呼んで、憲法解釈問題も含めて議論させていただきました。また、甘利大臣にも、大阪市の水道事業に関するPFIやTPPの全体戦略などの経済問題について質しました。

 質疑の様子はこちらから「松田学」を選択して、動画をご覧ください。
 
 集団的自衛権をめぐる自民と公明との対立は相当なものです。どうも安倍政権は、公明党との妥協と支持率維持を優先し、自分たちがタカ派ではない、危険なことをしようとしているのではない、ということを印象付ける演出を優先しているように見えます。安保法制懇には集団安全保障にまで踏み込んだ報告を出させて、政権としてはそこまではしないとあえて否定し、また、極端な憲法解釈を出させてそれを「芦田修正論」として退けていることなどもそうです。この問題はもっと論理的に簡明に説明を組み立てるべきなのに、報告書とそれを受けた総理会見は、いたずらに議論を混乱させているように見えます。



 憲法9条の解釈は、最終的な解釈権を持つ最高裁が1954年に砂川事件判決として示しています。日本は現行憲法下で、自国の自衛のために必要な措置をとれます。そこに、集団的・個別的の区別はそもそもないはずです。では、どの範囲なら、平和憲法の趣旨に反しない自衛のための措置なのかを議論すれば、そこには、日本政府が独自に定義した集団的自衛権の範疇に入る措置も当然ある。それを最初から、集団的自衛権という概念を持ち込んで、十把一絡げに、そこに入る措置は全部排除するという、おかしな理屈を組み立てた不自然な論理が、現行の政府解釈です。自然な論理でもっとわかりやすく国民に説明すべきではないか、それが、私が言いたかったことです。



 いまの政府解釈が出てから30~40年、この30~40年ほど、世界の安全保障の概念がコペルニクス的転換を遂げた30~40年は、人類史上まれなことでした。時代に合わせて解釈を変更するなら、今が最もふさわしい時です。現行の解釈は、30~40年前の当時の政治情勢に配慮したいびつな解釈でもあります。政府解釈をコロコロ変えるべきではない、憲法改正で対応すべきだ、とも言われますが、憲法を改正しなければ行使できない集団的自衛権とは、ほとんど集団安全保障へと飛躍した領域になります。それは日本の国是にも関わる別の議論です。この点はきちんと区別しなければなりまぜん。区別して論理的に説明すれば、多くの国民の誤解も解けるのではないでしょうか。



 私の質問や議論のポイントは、「松田まなぶの論点 集団的自衛権も経済政策もTPPも、政策の目的やシナリオを論理的に組み立てよ」にまとめました。こちらをご覧ください。
 
 甘利大臣には、日頃のアベノミクスの議論に加え、今回は、水道事業を民営化しPFIやコンセッション方式を進めようとしている大阪市の提案に対し、市議会では自民公明が反対していることについて、安倍政権が進めようとしている成長戦略が与党の中でも地方議会まで徹底していないことを追及しました。また、懸案のTPPについては、21世紀の新しい国際経済秩序形成に日本がどのように関わっていくかのシナリオを明示し、そこからTPPにおける日本の国益とは何かを発信すべきことを訴えました。

 これらについては前向きの答弁が得られました。