松田まなぶ 内閣委員会で甘利スペシャル、アベノミクス、REVIC、そして懸案のTPPにつき議論 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 がんばれ!甘利大臣! それは私だけでなく、フロマン米国通商代表との熾烈なるTPP交渉で徹夜直後の4月25日朝からの内閣委員会ですから、どの質問者にも共通したトーンになりました。たぶん、甘利明・経済財政担当大臣はほとんど寝ないままの委員会出席だったと思います。ここに掲載の写真からもうかがえるように、>お疲れの様子は見ていてもお気の毒でありました。
 私からは、最初に、黒田総裁の異次元緩和から1年を経た時点でのアベノミクスの自己評価、次に、政府提案のREVIC(地域経済活性化支援機構法改正案)と銀行のリスクテイク姿勢、そして当日までのオバマ訪日でも合意に至らなかったTPPを取り上げました。



 質疑の様子はこちらから「松田学」を選択して動画をご覧ください。

 衆院の常任委員会では、政府提出の法案審議と、委員会所管大臣に対する一般質疑とを交互に行うよう日程を組むのが慣例になっています。たまたま、前回4月18日の一般質疑の際に、内閣委員会所管7大臣のうち甘利大臣だけ、TPP交渉で海外出張でしたから、その分の甘利大臣への一般質疑と、同大臣が提案者であるREVIC改正案の法案審議・採決とを、4月25日に一気に行う、甘利スペシャルとなったものです。

 この日は朝9時から質疑時間だけで6時間20分、途中、本会議をはさんで、終了したのは夕方6時近くとなり、選挙区が遠隔地の議員にとっては、うれしくないスケジュールだったと思います。衆院では最も「仕事師委員会」の内閣委員会では時々あること。翌日からはゴールデンウィーク。その前にできるだけ多くの法案を仕上げようとの国会運営の中で、異常な過密スケジュールがずっと続いていた私も、この日の質問をもって、人並みに他のことも少しはできる状態に戻りました。
 私も役人時代は対外交渉の裏方をしたときは、特に時差のあることも多いことから随分と徹夜したものですが、大臣がそのご年齢でここまで貫徹状態になったのは珍しいことだと思います。私からの甘利大臣への質疑はまず、「TPP交渉で大変お疲れの甘利大臣には恐縮ですが、大臣お得意の経済論議から質問を始めますので、リラックスしてください」という言葉から始めました。そして、私も参加した総理主催の観桜会で安倍総理が「給料の上がりし春は八重桜」と詠んだことを引用しつつ、消費税率引上げ後の日本経済の状況を踏まえた経済論議を行いました。

 やはり、問題はマネーが回らないこと。私は、「安倍総理の経済政策2つの誤解」を指摘一つは、「デフレは貨幣的現象である」についての誤解で、それは結果論であって、いま第一の矢で行っているような日銀資産の拡大が市中マネーの増大につながるという因果関係を示すものではない、やはり、最終需要の拡大なくしてマネーは増えないということです。もう一つは、1997年4月の消費税率引き上げがその後のデフレ経済の原因になったという誤解。そうではないことは前回の一般質疑で甘利大臣もお認めになったこと。これら2つは誤解であることを安倍総理に進言してほしいと甘利大臣に申し上げました。
 次に、マネーを増やすためには銀行が融資を増やさねばなりませんが、この点がアベノミクスの課題です。今回の法案の対象となっているREVICという官民ファンドについては、個人も金融機関もリスクテイクしない日本では必要悪?といえますが、政策の王道は、こうした官の介入ではなく、銀行にもっとリスクテイクをさせることにあることを強く主張しました。そして、このREVICの役割は、銀行がそれを参照して自らの経営姿勢を改善させるベストプラクティスを提供することにあり、銀行のリスクテイク姿勢の改善を見極めた時点でREVIC自体をスクラップすべきことを提言しました。この点、甘利大臣は全く同意の答弁でした。
 私はこのような考え方から、附帯決議の中に、銀行が自らリスクを取る経営姿勢へと改善する状況を見据えながら、REVICの組織の在り方を再検討すべき旨の一文を、日本維新の会の提案として盛り込ませました。
 これは一つの成果だったと思います。わが党の内閣委員である中丸啓議員も、法案よりも附帯決議のほうがよほど優れた内容だと評していました。



 次に、やはり最終需要の拡大がアベノミクスのカギを握ります。その上で成長戦略に目に見える寄与をすると期待されるTPPを取り上げました。しかし、対米交渉でこれだけ大臣が苦しんでいるのは、農産品関税を守るというタガをはめられているからです。そもそもの出発点にボタンのかけ違いがあるのであって、交渉で実現すべき国益は別のところにあるとの持論を展開しました。
 最後に、TPP交渉は21世紀の国際経済秩序づくりに日本が大きな地歩を占めようとする歴史的な意味があり、大臣は二度と担当大臣をやりたくないとおっしゃっていたが、そのようなことは言わずにがんばってほしい、とエールを送りました。

 私の質問のポイントは「松田まなぶの論点 アベノミクス成功のカギは銀行の融資姿勢とTPPにあり」にまとめました。こちらをぜひ、ご覧ください。

 その後、私の質疑の二人あとは日本維新の会の山之内毅議員による質疑でしたが、私は理事として同議員と事前に打ち合わせ、甘利大臣への質問は最初にまとめて行い、あとは政府参考人のみへの質疑として、大臣には隣室でお休みいただくよう配慮する形をとらせていただきました。その後のみんなの党の大熊議員も同様の配慮をされたので、大臣は少しまとまった時間、休憩をとることができました。
 野党は政府を追及するだけの存在ではありません。優しいですね、との声もありましたが、国家のために身を挺しておられる大臣への配慮も必要だと思ってのものでした。
 この日をもってGW入り、国会は小休止に入りました。