Q&A3927 第二子不育症です | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q リプロダクションクリニックにて自費診療

 

2018年採卵1回目(34才)
①2018年4AA︰第一子出産
②2022年3BA︰心拍確認後9週目流産(染色体正常)不育症検査実施し、以降ヘパリン開始
③2022年8cellG2︰心拍確認後7週目流産(組織不足で染色体検査不可)

2023年採卵2回目(39才)
④2023年4AA︰hCG 35、緩やかに伸びるもその後胎嚢確認できず
 慢性子宮内膜炎検査→陰性、ピシバニール注射開始
⑤2023年4AA︰胎芽・卵黄嚢確認できず。7週目胎嚢のみ18mm

現在の凍結胚:5日目3AB、8cellG2


過去5回の移植は全て着床はしています。着床したということは染色体正常の可能性は高いですか。異常胚でも着床しやすい体質ということはありますか。2回目は自然排出でしたが、今回手術をするかどうするか次回までに決めておくようにお話がありました。流産の度に検査は必要ですか。(検査に確実に出せるよう)流産手術を行うか、自然排出を待つか決めきれずにいます。不育症が明らかであれば、検査の必要はありませんか。手術を行うことで子宮にダメージを与えてしまわないかも懸念しています。また残り2つの胚を戻すにあたり実施しておくべき対策はありますか。これまでの胚が着床していることで正常胚の可能性が高いのであれば、年齢的にも残りの胚は可能性が低いのではないかと心配もあります。第一子を授かれたことでもう十分にありがたいと思っているのですが、流産が続くと精神的にも金銭的にも負荷が高く気分が沈んでしまう日が多いです。残りの胚で治療は最後にしようと思っていますので、最後にできることがあればアドバイスをお願いします。

 

A 34才採卵時の異常率は31.4%です(2016.8.9「☆女性の年齢別染色体異常頻度 その2」)。全ての移植胚が着床していますので、着床促進の疑いがあります。着床促進の方は、正常異常に関わらず何でも着床してしまいます。流産胎児絨毛染色体検査(POC)を実施することにより、異常なら着床促進、正常なら不育症と今後の方向性を決める上で重要な分岐点になりますので、できればPOCを実施して欲しいと思います。それにより方針が変わります。すなわち、前者ならPGT、後者なら原因不明不育症対策になります。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。