2014.4.20「☆女性の年齢別染色体異常頻度」でご紹介した論文の内容を表形式にしてもう一度ご紹介いたします。
Fertil Steril 2014; 101: 656(米国)
要約:2701名、3392周期から得られた15169個の胚盤胞のTE(胎盤になる部分)の染色体分析を行い、後方視的に検討しました。染色体異常率は下記の通り。
年齢 染色体異常率
22歳 44.4%(32/72)
23 40.8%(31/76)
24 27.8%(22/79)
25 44.4%(40/90)
26 24.6%(43/175)
27 27.1%(65/240)
28 22.7%(76/335)
29 20.7%(121/585)
30 23.2%(186/802)
31 31.0%(267/862)
32 31.1%(318/1023)
33 31.0%(411/1324)
34 31.3%(362/1156)
35 34.5%(422/1222)
36 35.5%(456/1284)
37 42.6%(491/1153)
38 47.9%(538/1123)
39 52.9%(533/1008)
40 58.2%(555/953)
41 68.9%(517/750)
42 75.1%(340/453)
43 83.4%(181/217)
44 88.2%(75/85)
45 84.3%(35/39)
46 72.1%(31/43)
47 100%(17/17)
48 100%(1/1)
49 100%(2/2)
解説:染色体の異数性異常(数が多い、少ない)は26~34歳が最も低く、35歳以上で増加し、25歳以下でも増加しました。AMHの最大値は0歳ではなく25歳ですので、24歳までは卵子形成に何らかの問題点があるのかもしれません。ただし、25歳以下と44歳以上は、サンプル数が少ない(<100)ですので、信頼性は幾分乏しいでしょう。
染色体異常胚を移植しても、妊娠しないか、妊娠しても流産や化学流産になります。何回移植してもうまくいかない場合には、本来は染色体異常を疑い着床前診断を行うべきだと思います。染色体が正常なのに着床しないのは着床障害であり、染色体異常ばかりの場合は正常胚を選んで移植する以外に妊娠の可能性は少ないと思います。
下記の記事を参照してください。
2013.6.16「☆☆☆AMHは年齢とともに低下しません⁈」
2016.1.6「☆PGS胚と流産胎児の染色体異常の違い」