Q&A3898 正常胚移植が陰性で落ち込んでいます | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q PGT正常胚を移植したのに陰性でした。

あらゆる検査は全てしております。
・TRIO検査済 窓ズレ無し、ラクトバチルス→90%治療済
・慢性子宮内膜炎陽性→抗生剤服用、治ったかの再検査なし
・子宮鏡検査問題なし
・スクラッチ有
・不育症検査済:Th1/Th2が13.8と異常値でタクロリムス服用
・子宮収縮抑制のため、ダクチル服用
全ての検査を終えて正常胚移植→陰性でかなり落ち込んでいます。次の移植前に慢性子宮内膜炎が治ったかの再検査をしてから移植しようとは思ってます。1年前に正常胚を移植し1回目陰性、2回目PRP子宮注入をし妊娠しましたが、胎嚢確認後流産になりました。

①PRP子宮注入をして妊娠したことから、2回目の移植前にPRPをしようか悩んでいます。
②また再度慢性子宮内膜炎の検査をしようと思った時、先生からは何度も内膜生検するのは癒着の原因になるから良くない、陽性細胞9個と少なめ?なので再検査なしで抗生剤服用で移植しました。慢性子宮内膜炎だと着床しにくいのでココが治ったか確認してから貴重な正常胚移植に入りたいですが、やはり再検査は良くないのでしょうか。
③ここまで全ての検査をして陰性なので、妊娠できるか不安でしょうがないです。妊娠した時と同じ薬剤の使い方が良いみたいですが、
・1年前と膣剤不足でルティナスからワンクリノンへ変更→ワンクリノンでERA検査し窓ズレ無し(ルティナスの時と窓の結果同じ)
・タクロリムスの値が低くなったので錠数変更 3mg→2mg
・黄体ホルモン不足での流産の可能性があったので、ルトラールを多く変更 1日3錠→1日6錠
・出血性流産だった為、バイアスピリン服用をやめました(1年前は移植周期D3から毎日服用)
妊娠した時の薬の量に戻した方が良いのでしょうか。しかし今の薬でERA検査してるのでそこも悩みます。

 

A 可能な限り必勝法を踏襲した方が良いことが多いです。

①PRP子宮注入は行った方が良いでしょう。
②リプロダクションクリニックでは(おそらく日本で最も多くの検査をしていると思いますが)、慢性子宮内膜炎の検査により子宮内癒着を生じた方はおられません。ぜひ、陰性を確認してからの移植をお勧めいたします。
③ルティナス、タクロリムス3mg、ルトラール1日3錠に戻し、バイアスピリンは移植周期D3から開始し判定日でやめるのが良いと思います。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。