最近読んでよかった本 180 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

 

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 

 

「鏡の花」道尾秀介

もしも大切な人がいなくなったら、どんな人生を送ることになるのか。1つの街と2つの遠隔地を舞台に、4家族が少しずつ繋がりながら、進められるパラレルワールド式短編集です。亡くなる人物は短篇毎に異なり、6つの短篇はそれぞれが同時成立しないようにできています。最終章で登場人物全員が揃い、フィナーレを迎えます。不思議感覚の道尾ワールドをご堪能ください。
2021.6.6にご紹介した「光媒の花」道尾秀介の姉妹編です。

 

 

「君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった」筏田(いかだ)かつら
広島県にある安芸大学法学部夜間コースに通う「柏原玲二」。ある日元カノ「ゆかり」の部屋へ貸していた本を取りに行くと、彼女の姿はなく、なぜか見知らぬ美人「磯貝久美子」がいた。その娘は、偶然にも大学の後輩で美形の「米倉奈央矢(なおや)」の幼馴染だったのだ。奈央矢は久美子に恋をし、衆人環視の学園祭で大胆な告白する。当然、玲二は奈央矢を応援するのだが、、、久美子は返事を保留したまま。玲二の同居人で妹の「柏原三苗(みいな)」も加わり、恋の駆け引きが行われる。果たして恋愛の神様は誰に微笑むのか。甘く切ないラブストーリーです。2021.2.22「最近読んでよかった本 その111」でご紹介した「君に恋をするなんて、ありえないはずだった」「君に恋をするなんて、ありえないはずだった そして、卒業」シリーズ第3弾。作者の筏田かつらさんは、私と同じ千葉県の公立高校の出身であり、千葉の実家に帰る久美子の描写がリアルです。

 

 

「殺人!ザ・東京ドーム」岡嶋二人

密かに日本に持ち込まれた南米産の猛毒クラーレは、体内に入った瞬間呼吸が止まり死にいたる。昭和63年の巨人阪神戦に沸く東京ドームで、毒を塗った矢による連続殺人事件が発生した。5万6千人の観衆の中、犯行現場の目撃者は皆無。スタジアムはパニックに陥る。

 

 

「となりのナースエイド」知念実希人

星嶺大学医学部附属病院の統合外科病棟に配属された、新人ナースエイド(看護助手、メディカルアシスタント)の「桜庭澪」には過去のトラウマがあった。一方、技術至上主義の天才外科医「竜崎大河」は、30代半ばにして統合外科の最高位をキープしていた。ナースエイドは医療行為が許されない仕事だが、最も患者に近いポジション。二人は時にぶつかりながら、コインの裏表のように、患者の治療に全力を尽くしていく。医療はさまざまな人間模様があからさまに出る現場。二人の過去の謎も次第に明らかになり、知念さんお得意のどんでん返し。今月からテレビドラマ化されます。

 

 

「蛇にピアス」金原ひとみ

「ルイ」は、蛇のように舌を二つに割るスプリットタンを持つ「アマ」と出会う。自らもスプリットタンにしたいと思い、小さな舌ピアスを入れる。舌ピアスを徐々に大きなものにしていくと、最後はスプリットタンになるという。ルイは、アマの仲間「シバ」が営むアングラ店で刺青を入れ肉体改造を行っていく。日常に希望を持たないルイだが、肉体改造だけが生きがいになる。2003年第130回芥川賞受賞作品で、当時20歳だった著者が話題となりました。