Q&A3849 第二子治療で苦戦中 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 36歳、第二子希望

 

32歳で採卵した凍結胚を3回移植しましたが、全て陰性でした。
①5BA 自然周期 市販排卵検査薬陽性日にHCG5000を注射した日から6日後に移植→HCG 22
②4BB ホルモン補充周期 4日目移植→HCG 1.1
 慢性子宮内膜炎が判明(10視野あたり21個)ビブラマイシン内服
③4BB ホルモン補充周期 5日目移植→HCG 0

第一子妊娠時はホルモン補充周期 4日目移植で2回移植、2回とも妊娠反応が出ており、私の必勝法と考えています(うち1回出産、もう1回は心拍確認後8週で流産、流産胎児絨毛染色体検査で異常)。
①の移植は自然周期ですが、検査薬陽性時に卵胞18ミリ、HCG5000を15時頃に注射しました。医師には翌日排卵と言われましたが、排卵確認は休診日に重なる為、注射から3日後でした。しかし、よくよく調べると一般的に注射から36時間後に排卵とあり、結局何日目の移植だったのか分かりません。
②の移植は第一子と同じ条件の移植でしたが陰性。ただその時に慢性子宮内膜炎の検査をし、10視野あたり21個の陽性でした。ビブラマイシン服薬後の再検査はしていません。
③の移植は必勝法が変わってしまったかもしれないと思い、5日目移植で陰性でした。

1)①の移植時は移植当日とBT4、BT10でHCG3000を注射しており、HCG 22は注射の影響と医師に言われました。BT8と9(注射4日目と5日目)で50mIU/mlの検査薬が判定線より少し薄めですがはっきりと陽性でしたがやはりただの偽陽性でしょうか。判定日はBT15(注射から5日目)で判定日当日朝から水っぽいピンクの出血があり、そのまま生理となりました。
2)慢性子宮内膜炎の再検査をして陰性を確認した後、次の移植でもう一度4日目移植を試すのはアリだと思われますか。第一子の時、プロテインS活性が低く3回検査しましたがいずれも45前後でした(バイアスピリンで対応し出産)。①の移植前に再検査したところ67で、低いのは変わりないですが改善していました。松林先生のブログで、出産後に体質が変わる人がいるとありましたが、私の場合も変わってしまった可能性が高いですか。慢性子宮内膜炎も第一子の時は10視野1個で陰性でした。ERPeak検査を受けてみたいとは思うのですが、県内で実施している病院が無いのと高額の為躊躇しています。ERA検査なら通院先でできるのですが、ERAだとあまり意味はないでしょうか。ネットで調べていると、着床の窓の検査はエビデンスに乏しく、結局はPGTをして移植するしかないという医師もいますが、着床の窓はどの程度考慮すべきでしょうか。
3)遠方ですが、もしリプロ大阪に転院し移植する場合は土日のみの通院でも可能でしょうか。またERPeak検査のみをお願いする場合、今から(3回目陰性判定後の生理待ち)だとタイミング的に年明けになるでしょうか。通院先では卵の染色体異常と言われるだけで何も提案が無く、必勝法も失敗に終わり途方に暮れております。

 

A 

1)BT4、BT10でHCG3000を注射しているのであれば、BT8と9、BT15に検出されたHCGは注射によるものと考えます(つまり偽陽性です)。

2)出産後に陰性判定が続く場合には、慢性子宮内膜炎と着床の窓のどちらか、あるいは両方引っかかることが多いです。したがって、慢性子宮内膜炎の再検査をして陰性を確認し、またERPeakを実施してから移植の日程を決めるのがベストです。着床の窓の検査のエビデンスが乏しいのはERA検査のことです。検査するならERPeak検査しかないと思います。

3)リプロ大阪では、ホルモン補充周期であれば、ERPeak検査も移植も土日のみの通院での実施が可能です(ただし移植は自費周期のみ土日対応)。ERPeak検査単独でしたら、次周期月経3〜5日目から開始できます(年内に検査可能)。他院では、12月中旬以降で新しい治療周期に入るのをやめてしまうことが多いですが、リプロダクションクリニックは12/31, 1/1,2,3の4日間だけがお休みで、採卵も移植も年内12/30まで実施、年明けは1/4から実施できますので、新しい治療周期はいつからでも入れます。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。