Q 偽閉経療法+ホルモン補充でICSI胚盤胞を移植して妊娠しましたが、胎盤の位置が低く、経腟分娩時1500mL以上出血、血圧が下がり一時意識も遠のき、さらに産後健診で胎盤遺残となりました。2年ほど前ポリープ手術をした事、筋腫(筋層内)も踏まえ既にリスクは高いうえに、ホルモン補充だったのが良くなかったのではと思っています。ただ妊娠できたのは偽閉経療法のおかげだと思うので、次の治療時もホルモン補充になるのではと思いますが、その場合にまた大量出血や癒着胎盤、大量出血で死んでしまわないかと心配です。
出産時人はどのくらいの出血に耐えられるのでしょうか。安全性の観点からは自然周期の方が差をつけて安全なのではないかと推測していますがいかがでしょうか。筋腫やポリープ切除後というのが大いに関連していて、私のような症例はホルモン補充であろうが自然周期であろうが出血や胎盤異常のリスクは変わらないのでしょうか
A 分娩時の出血1500mL程度は結構頻繁にあります。女性の身体にはおよそ4500mL程度の血液が流れていますので、およそ1/3に相当しますが、この程度の出血に女性は耐えられます。それ以上出血する場合には、輸血により対処しますので、今の日本であれば、大量出血で死んでしまうことはほとんどないと思います。しかし、分娩時の出血は予測不可能であり、仮に低置胎盤や癒着胎盤がなかったとしても、(子宮収縮が上手くできない)弛緩出血だけで相当出血することがあります。自然周期とホルモン補充周期の違いは、統計学的に有意差が出るだけであり、個人差の方が大きいものです。
下記の記事を参照してください。
2023.3.13「Q&A3599 妊娠高血圧症候群:ホルモン補充周期 vs. 自然排卵周期」
2022.5.30「☆ホルモン補充周期 vs. 自然排卵周期:妊娠成績と妊娠合併症」
2022.5.30「Q&A3312 41歳、ホルモン補充周期と自然排卵周期のどちらが良い?」
2022.3.4「Q&A3225 ホルモン補充周期?自然排卵周期?」
2018.10.10 「凍結胚移植:ホルモン補充周期vs.自然排卵周期」
なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。