Q 私は若い時にひどい月経痛で病院に行ったところHerlyn-Werner-Wunderlich症候群(OHVIRA症候群)と診断してもらいました。双頚双角子宮、片側膣閉鎖(左側)、左腎欠損です。閉鎖している左側膣壁を開放する手術をして良くなりました。診断してもらった病院は数年間、定期検診をして術後良好ということで終わりました。手術した病院では双頚双角子宮+膣中隔+重複膣と教えて頂いたのですが、診療内容説明書には「左子宮と右子宮は完全に壁で仕切られていて交通なし」と記載されており、手術先の先生が書いたイメージ図も2013.7.8「☆見逃しやすい子宮と膣と腎臓の形」の記事の図1ー1に近く、不分離重複子宮だと思いました。
先日、手術した左側の子宮で妊娠し無事に出産致しました。手術した穴が小さい&妊娠によって生理が来ず、薄い膜のようなもので穴が塞がりかけていた為、経膣分娩は難しく帝王切開となりました。現在、出産した病院で定期検診中ですが生理が開始された為、穴が開放され心配はなくなりました。
①2013.7.8「☆見逃しやすい子宮と膣と腎臓の形」の記事に書かれているOHVIRA症候群の方々は子宮頸がん検診や子宮体がん検診が行えるのでしょうか。出産した病院の先生には手術で膣壁に穴を開けた先に子宮口があって、見えないので出来ない。左子宮だけが子宮頸がんになっている確率は少ない。右子宮もなっているはず。だから、右子宮をちゃんと検診することが大事と教えて頂きました。
②ケースバイケースですが、早期発見は不可能に近いですか。重複子宮,片側腟閉鎖側の子宮頸部に発生した子宮頸癌の一例(和歌山県立医大)の報告を読んで、素人の私は早期発見は不可能でわかる頃には相当進んでいるのではないかと思いました。
③対策としてHPVワクチンを打つのは有効でしょうか。
④2013.7.8「☆見逃しやすい子宮と膣と腎臓の形」の記事の図1−1の重複子宮も分離型と不分離型の2パターンあるという理解で間違えありませんか。
⑤「不分離重複子宮+重複膣+片側膣閉鎖」と「中隔子宮+重複膣+片側膣閉鎖」が似ているような気がするのですが2つの違いは何でしょうか。
A
①②子宮頸部は左右1個ずつありますので、両方の子宮癌健診が必要です(別々に癌になる可能性があります)。本来は膣中隔を完全に切除するので、膣が一つになり左右の子宮頸部が見える状態になり、左右とも子宮癌検診(頸癌も体癌も)が可能になります。質問者さんの場合は、おそらく膣中隔の一部に穴を開けただけだと推察されますので、左側の子宮頸部が見えないか見えにくい状態なのだと思います。完全に膣中隔を切除すれば、問題は解消されるはずです。和歌山県立医大の報告は、閉鎖された場所に子宮頸部があるとは(健診担当の医師が)思わなかったため、癌の発見が遅れています。2013.7.8「☆見逃しやすい子宮と膣と腎臓の形」の記事にも記載しましたが、OHVIRA症候群という疾患があるという認識がないと見つけることができません。
③HPVワクチンを打つのはありです。
④⑤2013.7.8「☆見逃しやすい子宮と膣と腎臓の形」の記事の図1−1が分離重複子宮で、図1−2が不分離重複子宮(あるいは中隔子宮)とお考えください。用語の使い方は、医師によって異なります。
なお、このQ&Aは、約2週間前の質問にお答えしております。