Q&A3402 クラリチンの服用について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 39歳 第二子希望

 

2018年 最初の人工授精で妊娠、翌年出産
2020年 人工授精5回、妊娠せず
2021年 体外受精、移植3回、妊娠せず(化学流産1回)
 転院
2022年 体外受精、移植1回、妊娠せず
 PGT-Aで正常胚複数獲得

今ある正常胚を移植し終えたら治療を終える予定です。そのためERA検査などできることは全て行い、これから移植周期に入ります。すでに別院でセカンドオピニオンを受け、アスピリン服用を決めていますが、気になったのが、2022.6.29「嬉しい報告とQ&A3342 先生の指示通りで妊娠できました 」の記事のクラリチンについてです。もともと花粉症持ちでもありますし、移植周期からのクラリチン服用を試そうと思いますが記事によると出産までの服用が必要ということでした。アスピリンやホルモン補充は出産まで行うということはないと思いますが、クラリチンは出産までの服用が重要なのでしょうか。もし途中で服用をやめた場合、ある程度赤ちゃんが成長していても妊娠継続が難しくなるのでしょうか。

リプロを受診する機会はありませんでしたが、第一子の頃から治療に関して不明なことがあると松林先生のブログをエビデンスとして拝見させていただいています。ご多忙中こうして正しい情報の発信を継続していらっしゃる先生には本当に感謝しております。

 

A 2022.6.29「嬉しい報告とQ&A3342 先生の指示通りで妊娠できました 」の記事の質問者さんにとってクラリチンは妊娠維持に必要な薬剤と考えられますので(クラリチン服用時だけ妊娠していますが、服用をやめて流産になっています)、着床から出産まで毎日の服用を推奨しました。今回の質問者さんにとっては、クラリチンが必要な薬剤であるかどうかは不明ですので、いつやめるのが良いか結論は言えません。最後の移植に向けて万全な態勢で臨むとしたら、クラリチンを服用するのが良いと思います。しかし、一度妊娠が成立すれば、やめにくくなるのが人間の心情だと思います。

 

なお、このQ&Aは、約4週間前の質問にお答えしております。