最近読んでよかった本 143 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 

 

「カエルの小指」道尾秀介

2019.12.6「最近読んでよかった本 その82」でご紹介した「カラスの親指」の続編。続編を書かない道尾秀介の第2作に期待が高まります。詐欺師から足を洗い、口の上手さを武器に実演販売士として真っ当に生きる道を選んだ「武沢竹夫」。仕事中に中学生の「キョウ」が現れ、彼女は武沢にとんでもない依頼をする。「久々に、派手なペテン仕掛けるぞ!」と、かつての仲間「まひろ」「やひろ」「貫太郎」らと再集結し、キョウを救うために超人気テレビ番組を巻き込んだド派手な大仕掛けを計画する。大どんでん返しの結末はいかに?

 

 

「ティファニーで昼食を ランチ刑事の事件簿」七尾与史

室田署刑事課の新人「国吉まどか」は、先輩で相棒の巡査部長「高橋竜太郎」に警視庁随一のグルメ刑事と呼ばれるほどの食いしん坊で、ランチに全精力を傾けている。そんな折、警察署の地下の食堂がリニューアルオープンした。名前は「ティファニー」。値段は高めであるものの、「絶対味覚」を持つ謎めいた天才コック「古着屋護」が作るランチの前には、古株の名刑事も自白を拒む被疑者もイチコロ。本邦初のグルメ警察ミステリーです。

 

 

「天使の耳」東野圭吾

交通事故がテーマの6つの短編集。スピード違反、煽り運転、歩行者の信号無視、窓からのポイ捨て、路上駐車など。どれもよくある交通違反ですが、一歩間違えば人の命を簡単に奪ってしまうという恐ろしい話ばかり。警察署でも地味な部署と思われがちな交通課ですが、なかなかどうして面白い作品です。

 

 

「密室黄金時代の殺人」鴨崎暖炉

第20回『このミステリーがすごい!』大賞、文庫グランプリ受賞作。まさに、密室好きによる密室好きのための密室ミステリーで、描かれるのは密室づくしの6つの謎。陸の孤島と化した雪山のホテル「雪白館」で、次々と密室殺人が起きる。谷にかかった橋は落とされ、外界との通信手段も断たれたクローズドサークルで、繰り返される凶行。現場はいずれも密室、死体の傍らには異なるハートのトランプが残されていた。その意味するものとは?幼なじみの「朝比奈夜月」と雪白館を訪れた「葛白香澄」は、偶然この場に居合わせた中学時代の同級生「蜜村漆璃」とともに密室の謎に挑む。不可能と思われた密室トリックが明らかにされ、真犯人が浮かび上がる。

 

 

「ポイズンドーター・ホーリーマザー」湊かなえ

タイトルの「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」を含む短編が6編。どれもイヤミス女王「湊かなえ」らしさ満開の作品です。母娘、姉妹、友人、男女の表と裏を明らかにし、ヒトの善意と悪意を描きます。イヤミスが読みたくなった時にお勧めです。