Q&A2640 産後の生理が再開しません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q リプロでオプション検査していただき、その後、他院で凍結胚移植して無事出産できました。リプロでは妊娠16週までお世話になりました、その節は本当にありがとうございました。

現在46歳、産後2年4ヶ月、1日2〜3回程授乳中です。まだ生理が再開しておらずホルモン検査を受けました。FSH 60.9、 E2 14.8、プロラクチン 13.7、プロゲステロン 0.4。卵巣機能低下によるものだろうと言われました。46歳ならもうしばらく生理があった方がいいでしょうとのことで生理をおこす治療をすすめられています。
まずは断乳と言われているのですが以前、断乳を試した所、子どもが不安定になってしまい、親子共々疲弊してしまったので3歳位までは様子を見ながらと思っていたのでなかなか早急に断乳を決断できません。クリニックの先生からはこちらの事情を考慮して2〜3ヶ月後から治療をと言われています。今後の妊娠は希望していません。

妊娠前の状況
・妊娠前1年位は生理周期28〜30日で安定、周期が長くなったり短くなったりはなし
・妊娠前1年位の生理3日目のFSH:12〜20、E2 :5〜30
・AMH 1.41(2014年 40歳)、0.01(2015年41歳、前周期ピル服用のため正確な数値でないかもしれません)

①おそらく治療を受けなければこのまま閉経となる可能性が高いように思いますが、リスクはありますか。現クリニックで聞いてみましたがまずは断乳をと答えがいただけず。
②生理をおこす方法はたくさんあるのでまたその時考えましょうと言われ、治療方法の提示はないのですが、松林先生ならどのような治療方法を選択しますか。
③現在のホルモン値でいうと閉経の定義にあてはまり、1年生理がきていないことという所が産後授乳が続いているのであいまいな所ですが、このような状況で治療すれば生理はくるものなのでしょうか。

 

A 今後の妊娠は希望しないという前提で回答します。

①このまま閉経となった場合に、特別なリスクはありません。一般的には、閉経すると、骨が弱くなったり、コレステロールが増えたりします。
②当院では、内服薬ならプレマリン+ノアルテンを2錠/日x7日、注射ならペラニンデポ1A+プロゲデポ1Aを用いています。
③ホルモン値からの閉経の定義はありません。投薬すればほとんどの方で生理は起こせます。しかし、敢えて生理を起こす必要はないでしょう。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。