Q 41歳、5回妊娠して5回流産
自然周期の分割胚移植で妊娠するも3回連続判定日のhCGが30前後です。なぜ毎回hCGが低く流産になってしまうのでしょうか。橋本病でチラーヂンを飲んでいますが、不育症検査は異常なし、胎児染色体検査の結果は13トリソミーや18トリソミーでの流産です。年齢のせいなのでしょうか、それとも不運が続いただけなのでしょうか。心拍確認も3回ありますが10週までに心拍が弱くなり停止します。アスピリンやヘパリンなどは使ったことはありません。もう希望がもてず前を向けません。
A このような場合には、(不育症ではなく)異常胚も着床してしまう「着床促進」の可能性があります。「着床促進」を打開するためには、受精卵の染色体診断(PGT-A)を行うしかありません。現在、日本産科婦人科学会でPGT-Aが順次認可されているようですので、病院でご相談ください。また、不育症の検査が全て網羅されているか、不育症専門病院で今一度確認が必要です。
最近、流産の要因として男性因子もありえることが報告されています。現在、精子のDNA損傷は様々な方法で検査が可能です。こちらは男性不妊外来(泌尿器科)でご相談ください。精子のDNA損傷の修復には、抗酸化剤サプリが有効である可能性があります。
「着床促進」については、下記の記事を参照してください。
2015.1.10「☆新しい不育症の考え方:着床促進 その2」
2014.12.13「☆新しい不育症の考え方:着床促進」
精子の状態と流産の関係については、下記の記事を参照してください。
2020.5.25「☆精子のDNA損傷は卵子が修復する」
2019.7.27「☆精子の状態が流産に影響する その2」
2019.7.25「精子の状態が流産に影響する その1」
2019.4.23「☆精子のDNAフラグメントが胚発生に及ぼす影響」
2016.2.27「精子にはやはり抗酸化剤が有用」
2014.2.26「☆精子にはやはり抗酸化剤が有効:これまでのまとめ」
なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。