Q&A2329 リプロ転院後初回妊娠、第2子希望で相談 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 他院で3回採卵、2回移植して化学流産のみ→受精卵をリプロへ輸送し、2段階移植で1回目で妊娠、出産→1年後自然妊娠、NIPT陽性のため中期中絶(21トリソミー)

 

リプロでの診察時には大変お世話になりました。1回で妊娠できたこと、本当にうれしく、娘はとても元気、毎日癒されています。思い切って東北から通院したことで、こんなにも幸せな生活が送れたことに感謝しています。

現在40歳、38歳の採卵時の初期胚が3個あり、リプロ卒業時には初期胚2個を胚盤胞まで育てられれば2段階移植、と先生にご教示いただいていました。先生のブログを拝見しており、次は半年以上あける必要があるのかなと思っています。

Q1 今回死産した病院で、着床前診断をしては、といわれました。先生のブログでは、初期胚の診断は意味がない、と書かれていたように思うのですが、いかがですか。私は診断しなくても、移植はしたいと思っています。もし診断する方がよいのであれば、どうすればよいのでしょうか。
Q2 今回、自然妊娠できました。前回成功した2段階移植ではなく、初期胚の移植、というのは難しいでしょうか。胚盤胞まで育たなかった場合に残された1つの胚を移植するよりも、少しでも質の良い初期胚を移植するという方法はどうなのかな、と思いました。

 

A 

A1 初期胚の着床前診断(PGT-A)は全く意味がありませんので、胚盤胞に育ててから検査するしかないでしょう。しかし、日本では未だ認められていない検査ですので、現状では初期胚1個移植し、残りの初期胚2個を胚盤胞まで育てられれば2段階移植の方針に変わりはありません。

A2 どちらも一理ありますが、基本的には前回妊娠した時と同じ方法(2段階移植)を取るのが早道です。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。