Q&A2255 不育検査結果で質問 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 妊娠治療にて妊娠しましたが胎嚢確認後に流産になりました。流産胎児染色体検査をしたところ染色体異常ではなかったので、不育症の検査を実施いたしました。異常値だった項目は下記です。
HOMA-R 1.62
抗PE-IgG(+)0.312
抗PE-IgM(+)0.459
第12因子 35%
プロテインS 48%
血小板凝集能:ADP添加 9、コラーゲン添加 9

 

通院している病院ではグリコラン服用とバイアスピリンを妊娠35週まで服用するとの事でした。この場合、ヘパリン注射は必要ないでしょうか。受診はしてませんが下肢静脈瘤の自覚症状あります。足の不快感などの症状もあります。この場合も不育症と関わってきますでしょうか。

 

A 抗PE抗体はギリギリですが、第12因子とプロテインSがかなり低いですので、私ならヘパリンを使います。血液凝固系の因子はバイアスピリンだけの治療では理論的には不十分です。また、下肢静脈瘤の自覚症状も血流が良くない一つの理由になります。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。