Q&A2227 自己免疫異常があり移植できません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 海外で卵子提供計画中
自己免疫の検査を行ったところ、抗SS-A抗体、抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体が陽性でした。以前から橋本病なので、定期的に甲状腺の診察を受けており、チラージンを服用しTSHの値は2.5以下になるようにしています。今回、心配になり膠原病内科も受診しましたが「膠原病ではないので何も治療することはありません」と言われました。現在、海外のクリニックからプラケニル(
ヒドロキシクロロキン)とプレドニン10mgを処方されています。飲み始めて1ヵ月後に血液検査を行いましたが、若干数値は下がったもののまだ高い数値なので、移植の許可が出ません。自己免疫異常がある場合、移植しても妊娠出来ないのでしょうか。私のような免疫異常がある場合、妊娠したい時は日本ではどのような治療を行うものなのでしょうか。

 

A 抗SS-A抗体、抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体、いずれも抗体の有無による妊娠率の低下はありません。また、プラケニル(ヒドロキシクロロキン)とプレドニン10mgでは抗体価は低下しませんので、このまま移植していただいて差し支えありません。自己免疫異常の方の多くは通常通り妊娠できますので、心配ありません。移植の許可が出ないのはいただけません。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。