Q&A2060 採卵7回、移植6回、治療に行き詰っています | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 36歳

採卵7回、移植6回、全て陰性、全くかすりもしません。
①新鮮胚移植:自然周期6G3
②凍結胚移植:ホルモン補充周期9G2〜3(AHA有)
③凍結胚移植:ホルモン補充周期Compaction(AHA有)
④凍結胚移植:自然周期9G2〜3(AHA有)
⑤凍結胚移植:ホルモン補充周期3AB(AHA有)day 5
⑥凍結胚移植:ホルモン補充周期4〜5B'A'(回復中、AHAなし)day 6
①~④は全て排卵/切替~day 3での移植、⑤⑥排卵/切替~day 5での移植。
内膜の厚みは全て移植時に9〜10mmくらいあります。

⑥の判定日に内膜が16mmありましたがhCGの反応はありませんでした。最後の移植は、卵が回復中での移植でしたが、この状態による着床への影響はありますか。また移植後の途中経過の内膜の厚みは着床に関係あるのでしょうか。

他院で治療を行っていますが、最後の胚盤胞移植前に貴院にて、慢性子宮内膜炎と子宮収縮を見つけていただき、内膜炎治療後に陰性を確認してからの移植、また不育のサポートとしてイントラリピット点滴、ダクチルの処方をしていただきました。いろいろな要因を排除してからの移植で結果が出ず、ショックを受けています。主治医からは、着床の窓を調べてみる手もあると言われており、ERA検査をするか迷っています。貴院にて不育の検査は全て行いサポートして頂いており、移植パターンについても残っているのは2個移植くらいかと思います。子宮因子については今まで筋腫等を指摘されたことはなく子宮鏡検査は行っていません。

29歳の時に骨肉腫という病気になり1年間抗癌剤治療を行いました。そのためか低AMH、高FSHで1回の採卵数が少なく一番多くて3個というところです。凍結してある胚がなくなりましたのでまた採卵からですが、貯胚が出来たら次の移植はどのような方法が良いか。貴重な胚ですので、ERA検査、または卵が正常胚かどうか(私のような場合)このような検査まで受けるべきか迷っています。また他にできることはあるか。もしERA検査をせずに着床の窓をズラす場合、どのように行えばよいでしょうか。3年近くになる治療で全く結果が出ないことに心が折れそうになり、また低AMHですので卵が採れる内に治療を急がないとと言う焦りもあり、とても複雑な心境です。

 

A このような場合には、着床の窓がズレている可能性があります。ERA検査は受けてみても良いですが、当院へ通院されているのでしたら、これまでの移植時の胚の写真、移植のプロトコール、ホルモン値のデータを持参していただければ、(有料ですが)着床の窓を検討させていただきます。今まで実施していなのでしたら、子宮鏡検査も一度行っておきたいです。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。