Q 42歳
2016年に他院による顕微授精で出産、第2子妊娠に向けて凍結胚を移植してもらうため、今月から通院を再開しました。
ホルモン値などを検査したところ、テストステロンが3 ng/dL(基準値11~47)と基準値を下回りました。担当医は「ホルモンを作る力が弱っている。テストステロンを増やす治療も特にないので、このまま移植に向けて準備しましょう」とのことでした。テストステロンは女性ホルモンの原料になるとのこともあり、妊娠に必要な黄体ホルモンなどが正常に作られるのか、胎児に影響はないのか、そもそも妊娠できるのかなど心配になってます。
Q1 凍結胚を移植予定です。テストステロン低値の場合、着床、妊娠継続に与える影響はありますか。
Q2 胎児の発育への影響はありますか。
Q3 2015年は20 ng/dLで基準値内でした。なぜ下がってしまったのでしょうか。このようなことはよくあるのでしょうか。
Q4 短期間に変動するものでしょうか。例えば1か月後に測定すると上がっていたり、もしくはさらに下がっていたりということがあるのでしょうか。
A 妊娠を目指す方のテストステロン(男性ホルモン)の基準値は、20〜100 ng/dLです。男性ホルモン低下は、卵巣予備能を低下させます。男性ホルモンは、前胞状卵胞の発育を促進し、閉鎖卵胞になるのを抑制するなど、卵胞発育に必須なものと考えられています。したがって、テストステロン濃度が20 ng/dL未満の場合には、濃度が20〜100 ng/dLとなるようにテストステロンを補う(エナルモンなど)ことで、卵巣の反応性が改善する可能性があります。つまり、採卵周期に必要なホルモンです。
A1、A2 移植周期および胎児発育におけるテストステロン(男性ホルモン)の必要性は証明されていません。なお、黄体ホルモン(プロゲステロン)は、テストステロンから産生されません。2014.3.26「☆男性ホルモン関連のまとめ」の記事の図をご覧ください。
A3 加齢によりDHEASが低下しますので、加齢によりテストステロン(男性ホルモン)低下の可能性があります。DHEASは女性ホルモンと男性ホルモンの原料です。
A4 短期間では、テストステロン(男性ホルモン)はほとんど変動しないと思います。
下記の記事を参照してください。
2014.3.26「☆男性ホルモン関連のまとめ」
なお、このQ&Aは、約4〜5ヶ月前の質問にお答えしております。