シベリア人参(エゾウコギ茶)と精子 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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シベリア人参Siberian Ginseng)=エゾウコギ茶Eleutherococcus senticosus)と精子についての質問がありましたので、論文を調べてみました。

 

Phytomedicine 2005; 12: 403(米国)DOI: 10.1016/j.phymed.2004.10.004

要約:Kan Jang(センシンレン+シベリア人参)の効果を、セイヨウカノコソウ(Valeriana officinalis)及びオタネニンジン(Panax ginseng)と比較しました。Kan Jangは、精子数と運動率の有意な増加及び非運動精子の有意な減少を示しました。オタネニンジンは、非運動精子の有意な減少を示し、セイヨウカノコソウは正常運動精子の有意な増加と非運動精子の有意な減少を示しました。しかし、これらの変化は、妊娠率増加には結びつきませんでした。

 

解説:ニンジン類は精子形成にプラスに働くとされています。ニンジン類は、滋養強壮、抗ストレス作用の他に、反射神経、持久力、集中力を高め運動能力を向上させる作用や抗うつ作用があるとされています。本論文は、ニンジン類3種類について、男性不妊に有効であることを示していますが、妊娠まではカバーできていません。