Q&A1604 タイミングと人工授精で化学流産を繰り返しています | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 二人目不妊で様々な検査を受けましたが異常なしで、リプロで不育症検査とオプション検査を受けました。
キニノーゲンとプロテインS活性とビタミンDがひっかかり、着床時期からヘパリンとバイアスピリンということになりました。ですが、ヘパリンとバイアスピリンを使用してもこの半年で3回、超初期の化学流産でした。毎回、少し遅れて普通に生理がきます。過去に人工授精は経験ありますが、やはり化学流産で、体外受精はしたことがありません。
不育症以外に問題がありそうと考えていいのでしょうか。今後どういう治療法をすればいいのか・・遠方なので、先生からアドバイスをいただけたら嬉しいです。

 

A 記載がありませんが、慢性子宮内膜炎と子宮収縮検査と銅亜鉛検査は問題なかったとみなし、ビタミンDも基準値に達していると仮定して回答します。もし、これらの検査をやられていないようでしたら実施をお勧めいたします。ビタミンDは基準値に達していることが必要です。

 

原因不明不育症か着床促進のどちらかが可能性として残ります。

原因不明不育症の場合には、検査はありませんから、他の治療を追加していきます。具体的には、免疫グロブリンかピシバニールかステロイドですが、やってみなければ効果の有無はわかりません。

着床促進の場合には、何でも着床させてしまうわけですから、PGS(着床前スクリーニング検査)を行って正常胚を移植する以外に方法はありません。しかし、これは現実的に現在の日本ではできません。