Q&A1453 2ヶ所で採卵8回不成功 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 38歳で結婚してすぐに自然妊娠しましたが8週で流産しました。すぐに次の妊娠ができると思っていましたが流産の影響か生理不順となり、受診したところ夫の精子の状態が良くなく顕微授精を勧められました。これまでに採卵8回移植9回行いました。詳細は次の通りです。AMHが高くPCOS気味と言われています。


A病院

①低刺激、内服+注射少量2個採卵受精せず。

②低刺激、内服+注射少量10個採卵3個受精。1個新鮮胚移植(初期胚)陰性、1個凍結融解胚移植(胚盤胞)陰性、1個融解のダメージで使用できず。

③低刺激、内服+注射少量2個採卵受精後分割せず。

④低刺激、内服+注射少量3個採卵受精後分割せず。

⑤医師に頼んで違う刺激法をやりアンタゴニスト法、5個採卵1個受精卵。凍結融解胚移植(初期胚)陰性。


B病院

⑥低刺激、内服+注射少量2個採卵1個受精。初期胚新鮮胚移植陰性。

⑦アンタゴニスト法、18個採卵11個受精、3個初期胚で凍結。胚盤胞を目指すも1個もできず。初期胚2個移植で妊娠しましたが、8週で流産。

⑧ショート法、22個採卵16個受精。3個初期胚で凍結し残りを胚盤胞まで目指して3個胚盤胞になり凍結。胚盤胞を1個ずつ2回移植するもどちらも陰性。初期胚2個移植で化学流産。二段階移植で陰性。

B病院の検査でインスリン抵抗性があると指摘され、一時期メトグルコを内服していました。BMIが25以上なので、栄養指導も受けました。2度目の流産後、不育症の検査もしましたが異常なしと言われています。仕事中に出血が始まり自然流産したため染色体検査はできませんでした。医師からは年齢によるものだから、回数を重ねるしかないと言われています。
初期胚が1個残っていますが、採卵から再度チャレンジしようと思います。年齢も考慮して、移植を後回しにして続けて採卵することも考えています。漠然とした質問で恐縮ですが、今後何かできることや治療の方向性でアドバイスが有りましたらご教示下さい。

A このようになかなか成果が出ない場合には、是非とも当院のオプション検査を受けることをお勧め致します。また、明らかに、刺激周期が合っています。不育検査はアップデートが必要なこと、妊娠を目指す基準値で判断することがポイントです。他院で異常なしと言われた方の多くに異常が見つかります。再確認が必要です。