Q&A1329 プロテインS欠乏症 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 卵管閉塞のため不妊治療を行っており、近頃プロテインS欠乏症であることが分かり(数値は25%)、胚盤胞移植とともにオルガラン注射&バイアスピリンを服用します。染色体異常による稽留流産となり未だ妊娠継続はしておりませんので、薬の効果があったのかは不明です。
そこで、質問なのですがプロテインS欠乏症は、投薬以外に生活習慣の見直しで、治る・あるいは数値が上がるといったことは期待できるのでしょうか。「生まれつきのことだから仕方ない」のでしょうか。普段の生活に支障なく過ごして参りましたが、高齢になったときのリスクも心配です。血液専門の病院にかかるのが一番と思いますが、可能な範囲で教えていただけることがございましたら、ご返信いただけますと嬉しいです。

 
A プロテインS欠乏症を生活習慣で改善する方法は明らかにされていません。プロテインS低下は、日本人を含めた東洋人に多い現象です。多くの場合は病気ではなく、妊娠を目指す際にのみ治療が必要です。したがって、内科的には治療の必要はないでしょう。