Q&A1286 手詰まりです | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

 

Q 妻39歳、夫44歳、治療歴3年半

タイミング、人工授精(6~7回)を1年ほどした後、体外受精にステップアップしました。

1回目はアンタゴニストで9個採卵でき、半分づつふりかけ、顕微をしました。夫の結果はいつも運動率が悪く、奇形率が高いため。振りかけは全滅、顕微分の1個のみ7分割で移植→陰性
転院後、5回採卵、採卵数は2個~7個で毎回すべて顕微です。変性卵が多く全滅か一番多く受精した回で3個です。
8分割=1個、7分割=2個、4分割=1個を新鮮胚移植→陰性、
私の場合、凍結胚は融解するとグレードがとても悪くなってしまい、移植しても無駄でしょうと言われながら2回移植しましたが陰性でした。
上記のこともあり、胚盤胞移植、凍結胚移植は無理、新鮮胚移植しかないでしょうと言われております。
刺激法は高刺激よりマイルドな刺激法が合うようでクロミッド×5日+1日置きに注射が一番結果が良く7個採卵→7分割2個、8分割1個でした。
しかし、クロミッドだと内膜が薄くなってしまい、新鮮胚移植に向かないとの理由から、フェマーラに変えて採卵しましたが、7個採卵→4分割1個のみの結果でした。
判定日のHCGはいつも0で、化学流産も一度もありません。
子宮鏡検査、不育症検査もしましたが問題なし。小さな筋腫がたくさんあるが場所、大きさ的に問題ないと言われています。
医師は問題は卵子の質なので移植方法にこだわる必要はないと言うのですが、希望して移植時にスクラッチ、子宮収縮抑制剤服用もしましたが、結果は陰性でした。
ここまで全く結果の出ない場合、これ以上なにをすべきでしょうか。仕事が忙しくストレスを感じやすい性格もいけないのでしょうか。もう気持ち的にも金銭的にも諦めていますが最後に先生にご意見をいただこうと思い質問した次第です。ストレスになるので投薬歴、検査結果等は破棄してしまっていますのであいまいにしかお伝えできず申し訳ありません。

 

A やるべきことをしっかりやって結果を待つ以外にはないでしょう。

やるべきこととは、卵子の量と質の改善を狙って、ビタミンD、テストステロン、DHEASの採血を行い、不足分を補充することで改善が期待できます。

慢性子宮内膜炎の検査はぜひ行ってください。見つかると決定的な原因になります。銅亜鉛検査も必要です。また、不育検査の結果と項目の見直しをしてみると、異常が見つかることが少なくありません。

本当に胚凍結に向かないのか、転院して培養環境や培養士を変えてみることも考慮してほしいと思います。