Q&A751 採卵率が低いのはトリガーのせい? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 39歳、AMH 1.29
採卵前のトリガーについて質問いたします。2回目の採卵を終えたところです。
①  ショート法にて採卵36時間前にhCG5000を自己注射。12個刺すも2個しか取れず。IVFにて正常受精。新鮮胚(10G1)移植、着床するも化学式流産。
②  ①の結果を受け、トリガーのhCGの効きが悪く、卵子が卵胞の膜から浮き上がらないと言われ、お休み周期にhCG5000を自己注し36時間後から1時間おきに卵胞の様子を確認して貰うも、40時間後まで排卵は見られず。しかし39時間後には、卵胞の変形がみられた。
③  ②の結果を受け、ショート法にて採卵38.5時間前にhCG5000を自己注射。15個刺すも0個。やはり卵子が浮き上がっていなかったとのこと。
④  ③の夜にゴナトロピン5000単位を自己注し35時間後に再採卵。4個刺し2個採卵。IVFにて1つ正常受精、1つ多精子受精。
以上を踏まえ、次回採卵はトリガーをHCG10000に増量するか、アンタゴニスト法に変更するか悩んでいます。誘発はhMGにて10~15個出来、採れた卵は変性なども無く、受精卵もG1~G2とグレードは悪くないのでショート法が合ってると思うのですが、採卵出来なければ意味がありませんし、年齢的にも、AMH数値的にも焦ってます。

A トリガーを打つ日のLHがどの位なのかが知りたいところです。もし、ベースのLHが高い方ならば、hCG 5000単位では少ないからです。このような場合には、私はhCGを10000~20000単位使用します。③と④の記載からはhCG 5000単位では効いていないように見えます。

もうひとつ確認しておきたいのは、採卵時の卵胞の顆粒膜細胞の採れ方です。顆粒膜細胞があるのか、全くないのかで、真の空胞なのか「卵子が卵胞の膜から浮き上がらない」状態なのか判断したいと思います。真の空胞であれば、何も採れません。

刺激法を変えることも一法です。