Q 42歳、治療歴2年、橋本病
10年程前から橋本病のためチラージンSを服用しています。
ブログの記事では、TSHを2.5未満にした方がよいとありますが、採卵の時点でその位の数値にした方がよいのでしょうか。甲状腺専門の医師に診て頂いていますが、不妊治療と甲状腺は関係ないと思っていると言われます。今まで採卵4回移植2回行っていますが良い結果が得られませんでした。もう凍結卵が一つもないためまた採卵から開始です。年齢も年齢のため早く良い結果を出したいと思います。
A 甲状腺機能は高くても低くても流産率が増加しますが、機能を正常に保てば流産を防ぐことができるとされています。海外では凍結胚移植をメインで行なっていませんので、採卵と移植がリンクしています。日本では、全胚凍結を行なっていますので、採卵と移植が分離しています。このような場合に、採卵の時から正常化した方が良いのか移植からで良いのかについては、明らかにされていません。
米国甲状腺学会と米国臨床内分泌学会のガイドラインには、「妊娠を目指す女性は、甲状腺機能が正常の場合(fT4正常)でも、THS <2.5に維持するのが望ましい」と明記されています。したがって、甲状腺専門の医師の発言の根拠は不明です。ただ、一方でTSHの基準値を見直そうという動きもありますので、そのような意味からは最先端の意見なのかもしれません。
甲状腺ホルモンと妊娠については、下記の記事を参照してください。
2013.5.6「☆甲状腺ホルモンと妊娠」
2014.9.4「甲状腺ホルモンと着床」
2015.2.7「TSHの基準値に関する新たな見解」