Q&A595 タイミング法の時期 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q タイミング療法中
2012.9.18「☆タイミングの取り方間違ってませんか?」の記事で、妊娠しやすいのは、排卵日ではなく前日と前々日とありますが、前日というのは、排卵した日付けを当日と考えて前の日か、排卵時点を0と考えてその前24時間の間か、いずれでしょうか。
後者であれば、排卵の直前にタイミングをとるのでもよくなりますが、前者であれば例えば22時頃に排卵した場合は最低24時間位前にタイミングを取っておかないといけなくなります。hCGを打ってタイミングをとる場合、人工授精と同じように36時間前後でタイミングをとるのでよいのか、hCGを打った日にタイミングをとった方がよいのか教えてください。
また、夫婦ともに出張が多くなかなかよいタイミングがとれないのですが、例えば14日目に卵胞が16mmで、仕事の都合で16日目にしかタイミングがとれない場合、hCGを打つのはタイミングがとれる時間から逆算する、つまりまだ卵胞は小さくても早めにhCGを打って排卵の時間とタイミングを合わせるのがいいのか、排卵とタイミングは多少ずれても卵胞が成熟するのを期待して遅めに打つ(タイミングと同時に打つ)のとどちらがよいのでしょうか。

A ご紹介した論文は、排卵の時間まで検討したものではありません。したがって、排卵の前日とは単純に「排卵日の前の日」のことです。重要なのは、排卵日の性交を狙っては行けないということです。排卵の5日前の性交から妊娠のチャンスが生じていますので、hCGを打つ前も打った日も性交を行って欲しいと思います。可能なら毎日、無理でも1日おきの性交が望ましいです。

一方、人工授精では排卵の時間を合わせた方が妊娠率がよくなります。この場合には、時間が重要になりますので、排卵のトリガーが必要です。hCGを打ってから36時間後に人工授精を行うのが理想です。

どちらの場合も、hCGは卵胞が成熟してから行うのが良いです。