松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。


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一般常識の誤り その1
「排卵日の性交が最も妊娠の確率が高い」は正しくありません。
排卵日の前日と前々日の性交が最も妊娠の確率が高いんです。なんと排卵日の4倍です。一般の方はおそらく全員、多くの産婦人科専門医も「排卵日の性交が最も妊娠の確率が高い」と信じています。きちんとしたデータがなかったので、イメージでそう思い込んでいたわけです。

Wilcox AJ et.al. Human Reproduction 13: 394–397, 1998
根拠はこちらの論文にありますが、簡単に説明します。
Dr. Wilcoxのグループは世界で唯一、着床日を検出できる検査法を開発しました。一般に行われる妊娠検査(hCG)の数十倍感度のよい方法で、より早く妊娠を特定することができます。そのため、通常の流産や化学流産より前の段階での流産(妊娠判明前の淘汰)も確認することができます。
この論文では、排卵日の特定、排卵前から排卵後までの性交日、上記の検査法で妊娠経過を調べています。その結果、排卵6日前以前の性交と排卵1日後以降の性交での妊娠はゼロ、排卵日の性交でも妊娠はしますが妊娠6週までにその80%が淘汰されています。妊娠がうまく継続する性交日は、排卵日の前日と前々日がほぼ同等となります。
このことは、何を意味しているのでしょうか。卵子が排卵する前に精子が存在していることが大切なのです。言い換えると、排卵日に精子が卵子を待ち構えている状態がよいのです。
卵子の老化現象について、最近いろいろ報道されていますからご存知の方も増えていると思いますが、卵子の老化には2種類あって、卵巣内での老化(いわゆる卵巣年齢)と排卵後の老化があります。この論文では後者の意義を述べているのです。体外受精でも、採卵から時間の経った卵子は、どんどん状態が悪くなります。
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