Q&A565 分割胚の融解胚移植でのアシステッドハッチング | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q A病院、B病院ともに新鮮初期胚移植しか行っていませんでした。どちらの病院からも、高齢だと融解する際のストレスで胚が死んでしまうからと説明を受けました。
今回は以前松林先生のブログで、同じ方法しか行っていないとある一方が切り捨てられるという記事を拝見し、初めて希望を通し3日目分割胚を凍結しました。凍結や高齢などの理由で透明帯が硬くなっているとのことで、分割胚のアシステッドハッチングをして欲しい旨を伝えたところ、B病院の培養師さんから、分割胚はまだ分割の途中なので穴を開けてしまうと中身がバラバラになってしまうと言われました。本当にそうなのでしょうか。A病院では、3日目新鮮胚移植の時にアシストハッチングをしたことがあります。A病院、B病院で全く違うやり方なので困惑しています。

A 分割胚はまだ分割の途中なので穴を開けてしまうと中身がバラバラになってしまうと言うのは誤りです。たとえば、分割胚(初期胚)での着床前診断では、透明帯に穴をあけて割球を取り出しますが、その胚は全く問題なく発育します。当院でも分割胚の融解胚移植ではアシステッドハッチングをして、多くの方が妊娠しています。ぜひ、アシステッドハッチングをして融解胚移植をトライしてください。