どんな認識論的パラドックスも決定不能命題の存在論の同様な証明に使える(ゲーデル)〜犬は犬ではない | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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「犬は犬ではない」とは、、、、それだけ眺めると単なる矛盾した命題(文章)です。

 

あえて、表記するならばA=¬Aなので、その真偽値を問われれば、偽でしょう。
(ちなみにこれが真であるような命題と見做すのが宗教というのが八木誠一先生の議論でした)

c.f.「運命は完全に決まっていて、完全に自由」という悟りの感覚ってどういう感覚? 2017年07月13日

 

「運命は完全に決まっていて、完全に自由」というような物言いを、よく耳にします。

バガボンド(放浪者)という漫画の中でも和尚が口にしていましたし、古武術研究者として知られる甲野 善紀(こうの よしのり)さんも似たようなことをおっしゃられていたように記憶しています。

この何というか不可思議というか、少なくとも矛盾した命題は何なのでしょう?


まあそもそもAでありかつAではないという矛盾律を真なる命題とするのは、そもそも宗教の特長です(八木誠一先生の受け売りです)。

A∧¬A

です。

 

 

 

ただ、これは一種のパラドックスのようなもので、「犬は犬ではない」という意味は、わかりやすく言えば、目の前にいるワンちゃんとホワイトボードに書かれた「犬」という文字とは違うという意味です。

 

 

僕自身は「白馬は馬に非ず」も同じカラクリだと思っているのですが、詳しい方、教えて下さい(詳しくない方はお口にチャックをw)。

 

目の前の哺乳類の犬(ワンちゃん)は、同じく目の前にあるホワイトボードのシミ(それは「犬」という漢字と似ている)とは違うということです。

 

月とそれを指し示す指が違うようなものです。

c.f.伝授と封入と結界は同じもの?! 2011年08月08日
c.f.「指を見るな、月を見よ」「toはtoなのだ」〜One word, one image.の風景〜 2015年05月23日 テーマ:English Kindergarten

 

たとえば、最近、盛り上がっている嘘つきのパラドックス」という自己言及命題についても同様です。

これはゲーデルの不完全性定理の論文の中で、ゲーデル先生自身が「関わる」と言っているものです。

 

いやいや、もっとはっきりとは、こう書いています。

 

どんな認識論的パラドックスも、決定不能命題の存在論の同様な証明に使える(クルト・ゲーデル)

 

これについては原論文を参照せずに又聞きの又聞きにも関わらず、ドヤって批判してくる方が絶えないので、一応反論しておきます。

 

ゲーデルの不完全性定理の論文を猛烈に圧縮すると以下の通りとなります。冒頭と巻末の付記からの引用です(寺子屋「ゲーデルの不完全性定理」のレジュメにも載せています)。

 

どんな形式体系も、論理式は外見上、原子記号(変項、論理記号、括弧、句読点)の有限列であり、どの記号列が意味ある論理式であるか否かを正確に記述することは容易である。同様に、証明は、形式上(ある特定の性質をもつ)論理式の有限列に他ならない。もちろん、メタ数学的な考察においては、原始記号そのものがどんなものかは重要ではなく、われわれはこの用途に自然数を割り当てることにする。

すると、論理式は自然数の有限列、証明は自然数の有限列の有限列となる。こうしてメタ数学的概念(や命題)は、自然数や自然数の列についての概念(や命題)になる。(略)さて、以下では、体系PMで決定不能な命題、つまりAもnot-Aも証明できない命題Aを構成する。(略)以上の議論がリーシャルのパラドックスと類似していることが注目される。「うそつきのパラドックス」とも密接に関わっている。(脚注14どんな認識論的パラドックスも、決定不能命題の存在論の同様な証明に使える)(略)

 

附記

 (略)その後の発展の結果、とくにA.M.チューリングの仕事のお陰で、いまや形式体系の一般概念について厳密で、疑いなく妥当な定義が得られるようになり、それにより定理ⅥとⅪの完全に一般的な表現が可能になった。すなわち、つぎのことが厳密に証明される。ある程度の有限的算術を含むどんな無矛盾な形式体系にも決定不能な算術命題が存在し、さらにそのような体系の無矛盾性はその体系において証明できない。

 

『プリンキピア・マテマティカ』およびその関連体系における形式的に決定不能な命題について』

 

c.f.ゲーデルは不完全性を、チューリングは計算不可能性を、チャイティンはランダム性を発見した。 2018年04月21日

だからこそ、T理論では不完全性定理のワークとして「嘘つきのパラドックス」のワークをさせるのです。

そしてこれが内面化されないと、不完全性定理を実装できません(少なくともヒーラーは実装する必要があります)

 

「ああ、それ、知っている」というふんわりとした感想だけでは不十分なのです。

 

「その踊りを知っています、見たことがあります」、というのと、「踊ったことがあります」というのでは大きく違いますよね。

 

踊ったことがある人々は、次の発言の違和感に気付けるのです。

(これは典型的な間違いです。そもそも自己言及パラドックスについて語るのに、最初から断定していることにおかしいと気付かないのが面白い)

 

Aさんは「私は嘘つきだ」と言ったから、Aさんは嘘つきだ。

 

論理学の命題としてはではなく、自然言語の文脈では、これは問題ありません。

(嘘つきがカミングアウトのときだけ正直者になるというラッセル的な抜け道を用意するのです)

 

 

ただ、論理学としては、厄介なパラドックスを生じさせるのです。

 

なぜなら、「私は嘘つきだ」という命題を分析すると、私=嘘つき、となります。

そして、Aさんが「私は〜」と言っている以上は、SemanticsにはAさん=私ということになります。

 

すると、命題(文章)を分析すると「Aさん=私」となり、発話を分析すると「私=嘘つき」となります。いや、逆です。

発話を分析すると「Aさん=私」となり、命題を分析すると、「私=嘘つき」となります。

 

ゆえに、

A=B、B=C 

∴A=C

であることを考えると(本来はこれが論理学で成立するかも議論が必要)

 

Aさん=私

私=嘘つき

 

∴Aさん=嘘つき

 

となるのです。

 

それゆえに、Aさんは嘘つきだとなります。

これだけであれば、単なる自己言及命題です(パラドックスを生じないという意味での「単なる」)。


しかし、このAさんの属性(嘘つき)を踏まえた上で、最初の文章を参照すると、、、

 

Aさんが「私は嘘つきだ」と言った、という状況の奇妙さが浮かび上がります。

 

先程示したように、Aさんは嘘つきなので、Aさんの話すことはすべて嘘となります。

とすると、「私は嘘つきだ」という言明も嘘となります。何を話しても嘘です。

 

ということは、本当は「私は嘘つきではない」と言っていることになります。ここで、嘘つきではないを正直者とここで定義するならば、「私は正直者」と言ったことになります。

先ほどと同様に(A=B、B=Cの議論)考えると、

Aさんは自分を正直者であると言ったということになります。

 

 

論理的に考えるということは、このように愚かなほどにステップを一つ一つ吟味することです。

 

そのときに「Aさんは結局、嘘つきなの?正直者なの?」などと怒ってはいけません。

Syntaxに読み解けることをパタパタと論理的に解明するしかないのです。

意味はそのあとです。

 

記号論理学の訓練を受けると、論理というより膨大な計算問題を解かされます。

そしてそれが論理学の肝であることに半世紀位経つと気づくのです(もっと早く気付け)。

だからこそ、論理とはアルゴリズムなのです。

アルゴリズムとは数学の用語です。

 

世界という書物は数学で記述されているのです。

論理学も数学と同相なのです。

ですから、九九のように論理計算をしましょう!(←意味不明)

 

 

この感覚が分かると、内部表現の書き換えが上手になります。

なぜなら、Syntaxで分析し、Semanticsに落とし込んで、書き換えをするのがヒーラーの仕事だからです。

 

多くの場合、これを逆にしてしまいます。Syntaxに意味を読み込み、Semanticsに論理を持ち込みます。あべこべになるので、ホメオスタシスが勝つのです。

 

我々は淡々と情報処理をしながら、ゲーデル数を見つけ、そしてそれを刺激することにフォーカスしましょう。

 

 

 

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