これまでの常識が覆されることになるが、私は今の世代であることをうれしく思う(トーマス・マイヤー) | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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アナトミートレインのトーマス・マイヤーは面白い比喩でFasciaを説明しています。

 

たとえば大腿動脈を見たときに、我々はそれを大きな血液循環の一つとして認識します。

同様に椀神経も明らかに神経系全体の中の一部として認識します。

 

 

腕神経叢として独立して認識することもできますが、それでもその背景には神経系全体のイメージが明確にあります。前提としてあります。

 

しかし、生体力学の分野で働く我々は、アキレス腱や胸腰筋膜を独立した構造であるかのように考えてしまう、と。

アキレス腱はさすがに多くの方は下腿三頭筋の腱であるというイメージがついてきていると思いますが、胸腰筋膜などは本当に独立した部位を考えられがちです。

しかし、アキレス腱と同様に、たとえば広背筋の腱と言えます(だから白く視えるのです)。

 

 

アキレス腱が下腿三頭筋腱であること、胸腰筋膜がたとえば広背筋の腱であることは重要ではありません。そうではなく、大腿動脈が全身の血液循環の一部であり、腕神経叢が全身の神経系全体の一部であるように、アキレス腱や胸腰筋膜も全身を覆うFasciaシステムとも呼ぶべきものの一部でしかないのです。

 

この感覚は重要ですが、この感覚はにわかには理解できません。

 

ですので、、、、TENETではないですが、、

 

 You have to start looking at the world in a new way.
(世界を全く新しいやり方で観なくてはいけない)

 

のです。

 

 

 

でも、どうやって?

 

というのに対する一つの回答が今回の「生きた解剖学スクール」でした。

 

開催する以上はある程度以上の確信があって行うのですが、それでも受講生次第というところはあります。

稀に急いで導入しすぎて、(受講生にとって)「???」となった気功技術や理論というのは少なからずあります。

どれも非常に良い技術なのですが、早すぎたせいで日の目を見ることなくほぼお蔵入りとなりました。まあ、いつかまた機会があると思います。

ちなみに具体的には、身体操作系の「美肌クリーム・ダイナミック版」、腹圧のMaxバルーンなどがそうです。その後、復活するのに数年かかりました。

またあまりにニッチでマニア向けすぎる技術ですとトウシューズで立つときのための「菜箸」なども。

どれもかなり良い技術なのですが、時期尚早か、難しすぎるか、タイミングが違ったようです。

でも、こういうのはやはり運や縁ということはありますので、次の機会を待ちます。

 

 

それはさておき、今回のAnatomy2.0もその意味でも、なかなか大きなチャレンジでした。

当初は解剖学速習を狙っていたのですが(これについては、またセミナーか教材を作成します)、それ以上にAnatomy2.0へ全員で移動したいと強く思ってしまい、企画を少し変更しました。

(まあ、解剖学については、ほぼ皆さん頭に入っていましたしね。BootCamp生が多かったので、スクールで紹介しようと思っていたレベルはクリアしていました)。

 

 

大きなチャレンジでしたが、大きな成果を得て帰還することができたように思います。

(帰還は比喩です。無事に終わったという程度の意味です)

 

空海の気分ですw

 

 

「むなしく往きて、満ちて帰る」(虚往実帰:きょおうじっき)というやつですね。

空海は私度僧として遣唐使船で中国に渡り(難破し)、長安で恵果和尚に会い、胎蔵界と金剛界の両界の伝授を受けました。

 

まあ、かなり大げさなのですが、そういう気分です。

 

大きなパラダイムシフトをノアの方舟でやり遂げたような達成感はあります。

 

ここが理解されて、普通にできるようになると、今後、伝えられることや、見せられる世界は一挙に広がります。非常に嬉しいです。

 

「生きた解剖学スクール」はまた繰り返しヴァージョンアップしながら開催したいと思っていますので、今後もお楽しみに!(艶姿スクールや薬食同源スクールも同様に)。

 

 

ラストにトーマス・マイヤーによるパラダイムシフトについての感慨を紹介して終わります!

 

(引用開始)Guimberteauのイメージと研究を通じ、身体全体で連続した生体力学的反応が、これまでの考えよりはるかに流動的で、カオス的で、自己組織的なのがわかる。将来の世代は、これを「当たり前」と言い、我々の力学的な旧モデルを風変わりなものとして退け、Guimberteauの先駆的洞察を土台としていくだろう。これまでの常識が覆されることになるが、私は今の世代であることをうれしく思う。Guimberteau医師が彼自身で確かめる旅から持ち帰った印象的で重要なイメージにより、ショックを受けて、恐縮し、喜び、そして変わることができるのだから。(引用終了)

 

 

 

トーマス・マイヤーはかっこいいですね。

 

将来の世代が自分たちが信じていた力学的な旧モデルを風変わりなものとして退けることが分かっていてなお、「今の世代であることをうれしく思う」というのは本当に潔い態度だと思います。

そして、なぜかと言えば、古いパラダイムにいるからこそ、新しいパラダイムの衝撃を受けることができるからです。

ショックを受けて、恐縮し、喜び、そして変わることができるのだから。」とトーマス・マイヤーは言います。かっこいいですね。

 

とは言え、筋膜連結という形で筋膜の世界を文字通り牽引したのがトーマス・マイヤーの大きな功績です。にもかかわらずのこの謙虚すぎる発言がしびれます!

 

 

ちなみに、「力学的な旧モデル」であり、将来の世代が「風変わりなものとして退け」るようなものを、我々は解剖学1.0と呼んでいます。

僕自身もそのど真ん中にいて、深く信奉していました。

 

その解剖学1.0を我々は仮に筋骨格系と考えます。

筋骨格のシステム(系)ということです。

 

一方で、「これまでの考えよりはるかに流動的で、カオス的で、自己組織的な」生体力学的反応が身体全体で連続しているというのが、解剖学2.0です。

我々はFasicaと考えています。

 

単純に並べるならば、

 

解剖学1.0 筋骨格系

解剖学2.0 Fasica

 

ということです。

1.0は筋肉と骨格のシステム(系)であり、2.0は筋肉や骨格もまたFasicaとして捉え直した全体のシステムです。

1.0がカチッとしたシステムであるのに対して、2.0はずるんとした融通無碍な鵺のようなシステムです。

 

 

じゃあ、どんなシステムなのかということは、これから次第に明らかになっていくのでしょう。

 

でも、僕らはヒーラーやセラピストとして現実的に結果を出していかなくてはいけません。研究成果が出揃って、定説が定着するまで30年ほど待つわけにはいきません。

ですので、僕らなりの公理と僕らなりのヒューリスティックな方法論を持って、Anatomy2.0の恩恵を受けたいと思っています。

 

それが今回のスクールでした。

 

 

公理というほど大げさなものではないのですが、今回のポイントは「皮膚にほかがぶら下がっている」ということです。

皮膚に、浅筋膜がぶら下がっており、深筋膜がぶらさがり、筋繊維がぶらさがり、そして神経や血管や骨もぶら下がっているのです。

ですから、皮膚をやさしくなでると、深部をかき混ぜることになります(トーマス・マイヤー)。

また、ランドマークや付着部(起始停止)の定義も拡張しました。

ランドマークは単に体表解剖の目印というだけではなく、そこが癒着しやすい部位なので、積極的にゆるめようと考えます。

また、起始停止も筋肉の付着部というばかりではなく、付着部のゴルジ腱器官にメッセージを送ることで、筋肉全体を素早くゆるめられます。

ですので、ランドマークや付着部(起始停止)が非常に施術に役立つポイントになるのです。

 

また、

 

冷たいー固いースコトーマ ⇔ あたたかいーやわらかいー意識に上がりやすい

 

というモデルも非常に直感的ですし、使いやすいと思います。

(もちろんこれに当てはまらないケースも稀にあります)。

 

 

ただ、このスコトーマという部分が非常に厄介です。

冷たい部分、拘縮している部分は本来は問題なのですが、本人にとっては意識に上らない(スコトーマに隠れている)のでそもそも問題ではないのです。

一方で、温かくて緩んでいる部分はものすごく意識に上がりやすいのです。ですから、その中でも冷たい部分、固い部分が気になって仕方ないということになります。

 

ですので、しばしば痩せている人は自分のことをまだまだ太っていると考え、身体が柔らかい人は、しばしば自分のことをまだまだ硬いと思うのです。

それは、意識が引き起こすパラドックスであり、だからこそマタイ効果がどちらの方向にも働きます。

 

 

他にもいろいろと面白く直感的で使いやすい公理はたくさんあるのですが、書かれているものを読むよりも、みんなでワイワイやりながらお互いの身体が劇的に変化するのを楽しむほうが、加速学習になります。

ギルドの中で楽しく進化しましょう。

 

そしてそれぞれのマーケットでは、それぞれのマーケットにふさわしい振る舞いをしましょう。

あまりに進みすぎた科学技術は魔術に視えるのです。そして魔術師は火炙りにされまるのです。

 

十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。(クラークの第三法則)

 

ですので、おすすめなのは気功整体師なり、マッサージ師なり、PTやOTという隠れ蓑をきちんと着こなすことです。

施術をAnatomy2.0でやりすぎず、1.0的なアプローチを取りながらも要所要所で2.0を取り入れて結果に結びつけることです。

Anatomy2.0を存分に使って大丈夫な場として、ギルドを用意するので(たとえばまといのば講座であったり、スクールや、BootCampなどが現状ですね)、そこで思う存分に発揮してください。

 

それぞれのご自身のマーケットであれば、相手にとって奇妙に思われないギリギリのところでAnatomy2.0を使って結果を出していってください。

 

自分がすごいことをしているという自覚は大事ですし、使いこなしているという実感が欲しいのはよく分かりますが、まずは生き残ることです。市場に受け入れられて生き残ることが大切です。

 

成功しようと思ったらまず生き残らないといけない(ウォーレン・バフェット)

 

*ウォーレン・バフェット

c.f.成功しようと思ったら、まず生き残らないといけない〜エッジを持つのと生き残るのは同じではない 2019年08月28日

 

ともかく長期的な成功は保証されているのですから、きっちり泥水をすすっても短期的に持続可能になりましょう!!

 

来月はいよいよあのT理論の完全理解スクールを開催予定です!

ただ、政治的にこっそり開催したいので、名称を、、、、T理論スクール、、、というのも何なんで、TつながりでTENETスクールとかにしようかと画策中です!

 

*これはTENETではなく、ドクター・ストレンジのTENETパロディw

 

 

 

【まといのば講座『TENETの物理学 〜挟撃作戦:時間について物理学的に知っておくべきこと』】
【日時】 10月30日(金)19:00~22:00

【場所】 四ツ谷のセミナールーム(丸ノ内線四谷三丁目駅、都営新宿線曙橋駅が最寄り)
【受講料】  30,000円(PayPal決済可能です。請求先アドレスを記載してください)
【受講資格】 「まといのば」スクール修了生、OnLine MenTor受講生・修了生
【持ち物】 情熱とゴールと筆記用具
【お申し込み】お申し込みはこちらから!!

*ヴァーチャル受講もしくはライブ受講(Zoom受講)も可能です!!

 

 

そしてこのTENET物理学セミナーの前日譚でもある「TENETって何なんw」講座も配信中(まだZoom版です!)

 

 

【ヴァーチャル受講:まといのば講座『TENET(って何なんw)〜時間を逆行せよ〜』】
【日時】&【場所】&【デバイス】いつでもどこでもどんなデバイスでも(ネット接続していれば)視聴可能です
【受講料】  30,000円(PayPal決済可能です。請求先アドレスを記載してください)
【受講資格】 「まといのば」スクール修了生、OnLine MenTor受講生・修了生
【持ち物】 情熱とゴールと筆記用具とインターネットに繋がるデバイス
【お申し込み】お申し込みはこちらから!!