ビッグバンを学ぶことで、ブラックホールの理解が深まりました | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

四ツ谷にありますバレリーナ専門の気功整体「まといのば」のブログです。
気功師から見たバレエとヒーリングのコツを公開します。
「まといのば」では、バレエ・ヒーリング・美容の各種セミナーを行っております。

ビッグバンとは何かというのは一言では語りきれないものがあります。


*われわれはビッグバンの残光を捉えることにようやく成功しました。


宇宙は特異点からスタートした、と言えばバチカンは大喜びしそうです(実際に喜びました。そして、その理論の立役者の一人である車椅子のニュートンことホーキングを招待します。しかしそのバチカン会議でホーキングが発表したのは宇宙のはじまりは存在しないという無境界仮説です。ガリレオが死んだ300年後のその日に生まれたガリレオのような運命を今のところはホーキングがたどっていないのは、ホーキングの発表が理解できなかったからに他ならないのかもしれません。と、まあご本人も述べていますw)。

ただビッグバンに関して、そしてブラックホールも同様ですが、最も重要なポイントはすべての科学者(そこにはアインシュタインも含まれていますが)は、アインシュタイン方程式という針の上で踊っている天使なのです。

アインシュタイン方程式をどう読み、どう理解するかが宇宙論を前進させてきました。

たしかに観測技術の驚くべき向上は存在します。そして写真も!!写真が天文学に実用化されて100年足らずの存在であることを考えると人類の偉大さを思わずにおられません。
われわれは天体ケプラーの先生であり、ケプラーの膨大な計算を支えた観測結果はティコ・ブラーエが肉眼で観測したものです。肉眼です。肉眼でデッサンだったのです。

望遠鏡が天文学に登場するのはガリレオ以降です。これは驚くべきことです。オランダで特許を取ったことを知ったガリレオは早速自作して(販売して一旗揚げるつもりが、売れず、仕方なく自分で使ったという逸話があります)、月を観測し、太陽の黒点を観測しました。

このとき月がツルツルの球体でないことを発見して衝撃を受けます。

アリストテレスによれば、天上界は完璧な秩序の世界なので、完璧な球体であり完璧に磨き上げられているはずでした。ガリレオが望遠鏡の精度を上げるのが早すぎて、天使の月磨きが間に合わなかったのでしょうw

ガリレオから300年で望遠鏡はとことん巨大になり、飛行機に乗り、そして宇宙へ旅立ちました。
手のひらサイズの望遠鏡が人工衛星になるまでの速度たるや異常です。
ライト兄弟が1903年に有人飛行に成功し、1969年には人類は月に降り立ちます。この指数関数的な成長もすさまじいものがあります。
ちなみに、カメラやX線写真も同様の進化です。カメラは19世紀前半、そしてX線は1895年の発見です(レントゲンは第一回のノーベル物理学賞を受賞しています)。
われわれはスマートフォンという名のカメラを携帯するようになり、X線は医療だけではなく、宇宙物理学においても欠かすことができません。

この指数関数的な爆発的な成長というのは、ある意味で必然的なのかもしれません。
ムーアの法則と同じく、指数関数的な成長というのが必然であり、線形的な成長というのが誤った意味での神話なのかもしれません。

ですので、われわれも地道な努力によって一歩一歩歩くというよりは、地道な努力によって指数関数的な成長を目指すのが正しいように思います。加速学習です。


話を戻しまして、アインシュタイン方程式です。


それまでの物理学がひたすらにニュートン方程式を解く作業であったように、アインシュタイン以降の宇宙観はアインシュタイン方程式の解を導き、それを実際のデータと照らし合わせる作業でした。
まずアインシュタイン方程式有りきなのです。
アインシュタイン方程式の解が予測する結果を、観測データが追認するかが課題でした。
観測したデータを元に、仮説をたてるのではなく、仮説から導かれる予想を、観測によって検証していくのです。

この感触が重要です。

次回は実際に、アインシュタイン方程式を解くというのはどういうことかに具体的に入りましょう!

アインシュタイン方程式というのはいわば新鮮な材料であり、それをどう調理するかが料理人の腕の見せ所です。

ちなみに最初のコックであるアインシュタイン自身はその方程式が描く宇宙観にひどくご立腹で宇宙定数を追加したのはご承知のとおり。

美しい方程式に醜悪なラムダを、自分の定常宇宙論を守るためだけのご都合主義で追記してしまったのですが、それを人生最大の過ちと悔やんだのは有名な話です(そして宇宙項、もしくは宇宙定数はいまだに現役で、むしろそれがいないと現代宇宙論が成立しないのもご承知のとおり)。

ちなみに今回は追加開催の回において、波動関数の触りを波動の式から導入しました。
これはかつて1年半前にスクールで行ったものと同じです。

波動を関数で表そうと考えると真っ先に思い浮かぶのがサインカーブです。



実際にサイン、コサインを使って波動を表します。

一方で単に正弦波だけではなく、自然界では波は減衰していくものです。運動エネルギーが最も使えないエネルギーである熱に変わっていくからです。

減衰の反対の増加としては指数関数があります。

自然対数の底であるeの指数関数の逆数を考えると、ゆっくりと減っていく様が描けます。

このすなわちe^-bxとsin(ax)の積は減衰振動を表します。



ここでeとサインコサインの深い関係を思い出すと、この波動をeだけで表す方法が見えてきます。

e^xとサインコサインはオイラーの公式でつながっていました。

指数関数と三角関係はオイラーの公式で手をつないでいたのです。



すると、三角関数を使わずとも減衰と振動を表す式が手に入ります。

オイラーの公式のθをaxと置換え、両辺にe^-bxをかけます。

e^-bx × e^iax = e^i(a+bi)xとなります。

a+biは定義より複素数なので(a,bは実数)、この関数はkを複素数として、e^ikx と置けます。

これが振動と減衰(正負を逆にすれば増大にもなる)をあらわす波動です。

この波動とシュレディンガー方程式の平面波の式を比較すると似ています。


*波動関数は時間と空間に広がる波なので、tとxの2つのパラメータが必要です。

...という話はちょうど一年半前のスクールでのシュレディンガー方程式の導入の触りでしたが、今回もその話を繰り返しました。よりいっそう分かりやすかったのではないかと思います(この記事はわかりにくいですw)たとえばシュレディンガー方程式はもっと簡単に導出できるのでは?
2013-06-04
などを参照してください。


面白いのは計算を通じて、世界の理解が深まるということです。

これはミヒャエル・エンデのネバーエンディングストーリー並にオカルトというか、不思議というか、神秘的な話です。
目の前の小さな神に紙に書き付けているだけの計算が、宇宙の神秘をあらわにし、そしてわれわれの宇宙そのものを書き換えるからです。

計算とその理解と、それによって自分をとりまく宇宙がダイナミックに変わるという神秘体験をした人は科学の虜(とりこ)になるかと思います。


知れば知るほど、文字通り世界が広がります。

そして、われわれは繰り返し学び、繰り返し繰り返し同じ場所に戻ってくることで前進します。

曲を繰り返し聴くことでメロディーを口ずさめるようになるように、科学の詩も繰り返し聴くことでなじみましょう。

口当たりの良い分かりやすい物語では飽き足らない好奇心があるからこそ、われわれはより抽象度の高い物語を好むのです。宗教という離乳食から離れ、科学という大人の食事を楽しみましょう!!

今回複数名からフィードバックをいただいたのが、ビッグバンによってブラックホールがより深く理解できたということです。これは嬉しい事です。そうデザインしているということもありますし、理解が深まるというのは、しばしば先へ行くことで足元が分かるということだからです。いまわからなくても先に行けば分かるということはよくあります。それが学びの喜びであり、救いです。

インターステラーというこの映画も同様です。

物理学について深く知れば知るほど、楽しめます。

知らなければ荒唐無稽なSFとして観てしまいます。そんな風に観られたら、監修を務めたファインマン教授職をつとめるキップ・ソーンが泣きますw

重力が他の次元に染み出しているというのは現代のM理論では主流の考え方です。だからこそ、他の力に比べて弱い、と。おなじみのリサ・ランドールたちの議論です。

またわれわれが時空連続体ではなく、離散的な時空の網の目を瞬間瞬間(プランク毎秒ごと)に移動しているとしたら、われわれのTimespaceの外へ移動して、そこでホメオスタシスを維持するというのも荒唐無稽ではないのです。それを理解できないと本棚の裏へは行けないのです。

ホメオスタシスという現象そのものが時空を超越しています。それをイエスは愛と呼びました。
永遠の命とは、肉体に生きるのではなく、情報空間の存在としての生を認識することです。
「自分の命を得ているものはそれを失い、失うものはそれを得る」(マタイ10章39節)のです。

英雄とは自らの命を顧みず、しかし蛮勇ではなく勇敢です。そして冒険以外に生き残る道がないことを知っています。

「わたしたちが幼な子であった時には、幼な子らしく語り、幼な子らしく感じ、また、幼な子らしく考えていた」。しかし、幼な子は成長したがるものです。われわれが離乳食の常識や神話や宗教のシュガーコーティングされた「お話」に戯れるのをやめて、本気で生きましょう!!

そうすれば、世界は一変します!

自分を取り巻く宇宙が変わります。


The Science of Interstellar/W W Norton & Co Inc

¥3,035
Amazon.co.jp


*このスペシャル映像は予告編よりはるかに多くのことを教えてくれます!!


ブラックホールと時空の歪み―アインシュタインのとんでもない遺産/白揚社

¥5,940
Amazon.co.jp