limおバカ→∞ -98ページ目

たった二文字の言葉の重み。





今日の日記は笑いのネタではない。


ちょっと真面目に書いてしまったので、笑いを期待されてる方は読まない方がよいかも。






出産を理由にT先生が退職され、代わりにうちの校舎にやってきた新入社員林先生。 28歳独身。


代わりに、とはいってもT先生が退職される数週間前からうちの塾で働かれていたのだが。






今日の日記はその林先生に関係ののある話である。






林先生はすごく気さくな方で、7歳差もある俺を含めた学生講師にも敬語を使い、非常に優しく接して下さる。


ギャグのセンスもなかなかあって、ボケツッコミともになかなかの腕前だw






そんな林先生、やはりまだ生徒には懐かれていないため、絡んでくるのは馴れ馴れしい一部の生徒だけである。 主にはこいつら・・・



リオ  『林先生!! ねぇ前はどこで働きよったと!?』


やっこ  『ねぇ彼女おると、彼女! おるんやろ??写メ見せてよっ!』


林先生  『いやいや一度に話されてもわけわからんけん。 もう帰宅の時間やけん帰る準備を・・・』


美雅  『何でこんな変な色のシャツ着とると?? う〇こ色やんwww』


リオ  『ひゃはははwww う〇こってwww う〇こってwww!!』


林先生  『うるさいわ! いいけん帰れ! 帰れっ!!』


やっこ  『なんでそういうこと言うと!? もっと遊ぼうやww』


林先生  こら! シャツを引っ張るなシャツを!!


リオ  『やっこがう〇こ引っ張りよるwww キャハハハwww』


美雅  『引っ張れ引っ張れ!!ww う〇こ引っ張れ!!






その光景を見ていた俺。 こいつらほんとタチ悪いな・・・。そう思っていると、






林先生  『もうお前らウザい! しねっ!!!






俺はビクッとした。 その言葉は塾という教育の場にはふさわしくない言葉で、


生徒以外の者の口から発せられるのを聞くのは久し振りだった。






リオ  『キャハハハwww しねって言ったww 先生のクセにしねって言ったしwww』


やっこ  『ありえんやろーーw?? 生徒に向ってしねって言いよるとよ!?


美雅  『ばりウケーーww もう一回言って! もう一回w!!』


林先生  『お前らしねッ! しねっ!! しねっ!!!』






なんというか・・・気持ちも分からないではなかった。


なかなか生徒が懐いてくれない中で、こうやって自分のもとに集まってくれることに対する気分の高揚。


俺も去年そういう気持ちは感じたことはあるし、つい勢いでうっかり口に出してしまったのだろう。


それに対し生徒たちは大喜び。






俺の頭の中では、塾講師と言えど教育者として、またこの塾の正式な職員として、発するべきではない言葉だったという気持ちと、


万が一保護者の耳に入ったら間違いなくクレームがくるだろうという不安。


色々な気持ちが交錯していた。






リオ  『もう一回言ってww もう一回www』


林先生  『うるさい!! もうお前らしねっ!!!』


美雅  『ははははwww』


やっこ  『ハイジに向って言ってみてwww』


林先生  『・・・そんなん言えるわけなかろうが。』


ハイジ  『・・・・・。』


リオ  『なんではいじスそんな怖い顔しとーと!?』


美雅  『はいじスも言って! しねって言ってみてww』






彼女らはこの二文字の言葉の意味が分かっているのだろうか。






ハイジ  『俺は・・・言わんよ。


一瞬「そんなふざけたことは言わん」と口から出そうになったが、林先生の気分を害することを恐れてとどめた。


やっこ  『出たーー! ノリ悪っ!!


リオ  『何で言わんとよ! 面白くなーーい。』


美雅  『「しね」とか挨拶みたいなもんやん? 言ってくれたっていいのにっ!』







挨拶・・・? 「ウザい」「キモい」はお前らにとって挨拶みたいなもんかもしれんが・・・。


「しね」って言葉まで挨拶なのか?






リオ  『ハイ出たー。 すぐそうやって不機嫌になるけんねー。


       はいじスのそういうところ面白くないわー。』






どうやら顔に感情が出ていたのだろう。


そのときの俺の気持ちは、なんというか苛立ちに似た感情だった。







「しね」という言葉を発した林先生への苛立ちか。


面白がってその言葉を林先生に言わせるやっこたちへの苛立ちか。


または俺のそんな感情を知らずに「面白くない」の一言でかたずけられたことへの苛立ちか。






これもジェネレーションギャップというものなのだろうか。






やっこ  『ほんと、そういう感じのハイジ面白くないー。』






お前らの求める「面白さ」が他人を傷つける言葉や行動によるものならば、俺はそういう「面白さ」は提供できない。 したくない。






美雅  『なんでそんな不機嫌な顔しとーと??』


リオ  『ほんとそれーー! そういうのよくないと思うよ??』


ハイジ  『俺はさ、めちゃくちゃ疲れてるんだよ・・・。』






・・・ただ俺にはそう答えることしかできなかった。











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