2月下旬に,某国立大学附属小学校の研究会に参加させていただきました。今年度最後の研修となりそうです。この学校にはもう何度も足を運んでいて,今年度だけで3回目です。授業は3コマありましたが,算数の授業は2時間しかあませんでした。1本目は5年生の「円と正多角形」です。
 題材は「円と正多角形」の活用で「星形正多角形」でした。スクラッチを使って正多角形を作図するのは「プログラミング」で最も有名な取り組みです。一般的な正多角形の作図については学習済みですが,この日はいきなり,
「正2.5角形を作ろう」
と,投げかけられました。しかしすぐにはイメージできないでしょう。あとの研究会で,「底辺が横の辺の半分になっている二等辺三角形」を考えていた児童がいたようです。2.5と言った時に,2本の等しい長さの辺と,その半分になっている辺がある,というのは定義にしたがった考え方です。
 そこで,スクラッチの「〇°右を向く」という命令に入れる数字を考えていきました。正五角形の場合「72°」になるのは「360÷5」の計算で出てくることから類推させて「360÷2.5」で考えるように勧めました。あとの研究会で指摘されていましたが,この計算式は「円を使った作図の時の中心角」を求める式になっているので,スクラッチで使う「外角」の考えとは違います。それをイメージできている児童はほとんどいなかったと思われます。
 私は,この星形多角形は,「小数」ではなく「分数」で表現すべきだと思っています。分数で表現することで「帰納的」にいろいろなつながりが見えてくるからです。
 あとの研究会で指摘させていただいたのですが,スクラッチで作った図形は「円」とは無関係になっています。それを既習の円と関連付けるために円の中にまず描きたいところです。そのうえで,分数で表した時の「分子」は「円周上の点の数」と一致します。(星形多角形の頂点・辺の数になる)
 一方「分母」は「2」であれば円周上の点を「2つ目」同士をつないでいくことになっています。「詳しい内容はこちら」(13年前の記事です)
 振り返りは,ロイロノートにいろいろ書いていたようです。ただしせっかくの面白い教材の不思議さがどのくらい出てきていたのは不明です。「帰納的」でよいので,数字の中に不思議な関係がある,ということが分かれば小学生の場合十分だと感じました。
 子どもたちは一生懸命話ができる素晴らしい子どもたちでした。楽しい教材にチャレンジされた授業者の意欲も素晴らしいと感じました。ありがとうございました。

 蛇足ですが,この授業の追試として昨年度私も授業させていただきました。「その様子はこちら

 

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