前時にプログラミングの学習として,スクラッチを使って「正多角形」を作図する方法を学習しました。教科書ではここまでが学習内容です。しかし私はそこからさらに発展的に進めていきます。
「スクラッチで角度を80度にしたらどうなるでしょうか。」
とたずねました。子どもたちは手を動かしながらできる形を予想している児童がいます。また計算をして「正4.5角形だ。」という児童もいました。
 ここで,すぐにタブレットを使うのでは算数の授業ではありません。まず,
「定規やコンパス,分度器を使って実際に作図しよう。」
と手作業で描かせます。入力する80度は,「外角を表していることは既習なので100度になるように作図をしていきます。すると最後に,
「あっ,つながった。」
という児童が出てきました。一方で,つながらない,という児童もいます。しかし出来上がる形はほぼ似たようなものになっています。ここまで詰めておいて,「正確」な「タブレット」で確かめます。
 すると見事につながりました。このこと自体がとても不思議なことです。また「10回繰り返す」とありますが,実際には「9回」でつながっていることも確認できました。
 できた形は,計算によって「正4.5角形」になるので,表の中に埋め込んでいきます。さらに「4.5」という小数を「分数」に直すことはこちらから指示します。小数を分数に直すのは5年生で学習した内容なので復習になっています。「9/2角形」となりました。
 今度は,小数角形の方を示して,角度を求めさせて,スクラッチで作図させます。子どもからは「金平糖」「ベイブレード」「こま」「星」などという言葉が飛び交っていました。いずれも最後はつながって1つの形になります。それぞれを「分数角形」で表すと「正5/2角形」「正9/4角形」となりました。
 スクラッチでできた形は,私が用意していた小黒板で,円の中に入れて示しておきます。この形を眺めながら,
「ここから,この分数の数字を眺めていきます。まず分子の5や9はそれぞれの図形の中にありますか。」
とたずねました。こちらは比較的見やすいようで「辺の数」や「頂点の数」という言葉が出てきました。問題は「分母」の方です。この図形の中から分母の「2」や「4」を見つければなりません。
 かなり苦戦していたのですが,辺としてつないでいる頂点同士にマグネットを置き,なんとか考えを進めさせたところ,
「つなぐ位置のはなれ方」
という言葉を引き出しました。円周上に「5点」「9点」をとり,それを「2つ飛ばし」や「4つ飛ばし」でつないでいることが分かりました。それが分子になっているのです。
 これを円周上に9点をとった図と関連させ,「隣り同士をつなぐと正9/1角形で普通の正9角形」になり,「3つ飛ばしでつなぐと正9/3角形で,約分して正三角形」になることでイメージをしていきました。
 以上が発展的な扱い方です。教材の論理が強すぎますが,内容的には仕方ないでしょう。さらに改良を加えてまた実践してみたいと思わされました。

 

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