思いが装いを決める ~ エッセイ ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

雪が舞い降りる年末の仙台、

空気が透明で少し肌寒い。

 

私は新しい洋服との出会いを期待して、

心温まる気持ちで仙台を訪れました。

 

 

ファッションというと、

 

おしゃれ

流行

外見

 

というイメージがないだろうか?

 

 

それはそうなのですが、

それだけではないと思うのです。

 

 

服装というのは外面ではなくて内面ではないかと。

 

 

思いが装いを決める

 

 

私の好きな言葉で、 服装をコーディネートしてくださっている

佐藤弘美さんからお聞きした言葉です。

 

昨年末、仙台で服装をコーディネートしていただき、

ますます実感が湧くようになってきたため、

 

ここでは、私と服装の関わりについて書いてみたい。

 

 

 

 

私と服装の関わりというと、

大学院生の頃のことが思い出される。

 

 

当時、名古屋大学の数学科に、

ある数学の教授がおられました。

 

その先生は若いころトポロジーという分野で活躍をされて、

私は大学院に入学する前からその噂を聞いていました。

 

その先生に数学の質問に行くと、

2つのパターンの言葉しか返ってこないという噂でした。

 

それは、

 

「この問題は、明らかである」

 

または、

 

「この問題は、間違っている」

 

のどちらかだというものです。

 

 

つまり、

 

その先生にとっては、

どんな問題でも明らかなので、

そのような答えになるというのです。

 

(それとも、問題自体が間違っているかどちらかということ)

 

 

私は大学院に入学する前から、

その先生はどんな先生なのだろう?

と関心がありました。

 

そして、実際にその先生を見て驚きました。

 

 

(いい意味で) ボロボロのジャンパーを着ていて、

くしゃくしゃの髪の毛の頭で、ブラブラ歩いている。

 

 

いかにも数学者です!!

 

 

私は自然に、その先生に惹きつけられました。

 

直接の指導教官ではありませんでしたが、

いつも気になる存在の先生でした。

 

 

あるとき、その先生の講義を受ける機会がありましたが、

そのパワフルさに驚きました。

 

 

チョークで黒板に書いて、書いて、

同時に、しゃべって、しゃべって、

書いて、書いて ・ ・ ・

 

 

私は黒板をノートに写すことで精一杯。

ひたすら写していました。

 

 

その先生は、時には熱く、黒板に言葉をぶつけ、

チョークでガーーっと書きなぐっています!

 

数学への情熱があふれて

ほとばしってくるみたいでした。

 

なんてパワフルな先生なんでしょう!!

 

 

ボロボロの服装

ブラブラ歩く姿

数学へのパワフルな情熱

 

 

そんな数学者らしい姿に、私は憧れました。

 

 

そんなこともあって、

 

私もボロボロの服を着て、

毎日、数学にあけくれていました。

 

私は大学院生時代、無意識のうちに、

その先生のスタイルをモデルにしていたのかもしれません。

 

 

御射山公園

 

 

社会人になり、私の服装も落ち着いてきました。

地味な服装ながらも、さすがにボロボロではなくなりました。

 

時が流れ、

 

私が大阪の女子大学に勤めていた頃、

社会に向けて広く数学を発信したいと思うようになりました。

 

 

そんなとき、気がかりだったのが私の服装です。

 

一体、どんな服装をしたらいいのだろうか?

 

 

当時、私は地味な服装でしたが、

 

少し堅く、

少しだらしない

 

というなんともいえないものでした。

 

恥ずかしながら、洋服に無頓着で、

 

ダイエーやイオン (当時はジャスコ) で安い服を買ってきては、

ひたすら同じものを着続けていました。

 

 

今でも、大学院生の頃に出会った教授のように、

ボロボロの服装にも憧れがあります。

 

 

ただ、広く一般の方々に数学を伝えるには、

ちゃんとした服装をした方がいいのではないか?

と思うようになりました。

 

 

思いが装いを決める

 

 

今、思うと本当にその通りでした。

 

私が服装について悩んでいたとき、

 

仙台のイベントで、

ファッションの佐藤弘美さんと出会いました。

 

 

私は、佐藤さんに服装を、

コーディネートしていただくようになりました。

 

私の服装は見違えるように変化しました。

 

 

 

大学の先生というと堅いイメージがあります。

 

ましてや、数学が専門というと、

とても堅い人のように思われます。

 

 

確かに、数学には堅い一面もあります。

 

それは否定しませんが、

『数学は堅い』 というイメージがあまりにも、

一般の人々の意識に広がっていて、

 

なんだか寂しいなぁ、

 

と私は思うのです。

 

 

数学って、それだけではないと思うのです。

 

数学には心を動かす魅力があって、

 

 

きれいだったり

不思議だったり

癒されたり

 

 

そんなことを伝えたいと私は思っています。

 

 

佐藤さんは、そんな私の思いを汲みとってくださり、

装いでは『柔らかさ』も大事にしてくださいます。

 

スタイリッシュなきちんとした服装ながらも、

堅くなりすぎず、親しみやすい服装

コーディネートしてくださるのです。

 

 

 

 

内面を服装に表現する

 

 

そう思うと、

 

洋服を探すことに、

しっかりと時間をかけていいと思うのです。

 

いくつもお店をまわって、

 

 

試着をして、

吟味をして、

 

 

ようやく自分に似合う洋服と出会ったとき、

 

それは、

 

川底から砂金を見つけたようなもの

 

だと思う。

 

とても貴重なもの。

自分を表現する大切なものなのです。

 

 

私が初めて、横浜でお母さん向けの算数・数学講座をしたとき、

清潔感のある洋服をまとい、優しい雰囲気で、

数学をお伝えできたことが今でも印象的です。

 

 

そんなことがあって、

 

今では、『思い』 が服装を決めるのだと

確信するようになりました。

 

 

あなたはどうですか?

 

あなたの 『思い』 を大切にしていますか?

 

内面の声を聴いて、服装に反映していますか?

 

 

もし、あまり服装に気をかけていないのなら、

自分の内面を見つめて、

服装を気にかけてみてはいかがでしょうか。

 

 

服装とは、内面を外面に表現するもの。

 

自分のやりたいことを実現するために、

私は勇気を出して、服装を変えました。

 

 

思い、 夢、 勇気 ・ ・ ・

 

 

それらが後押しをしてくれたのです。

 

前に一歩踏み出すために、

 

 

洋服を変える勇気をもつ

 

 

ということを身にしみて感じたのでした。

 

 

私はこれからも内面を見つめて、

思いを外面につなげていけたらと思っています。

 

(2019.1.3)

 

 

松岡学

 

 

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