なぜ、恋愛や結婚相手とうまくいかないのか?
今回はそんなことを考えてみます。
最初に、
あなたがパートナーと幸せな生活を送りたいと思ったとき、
心にとめておいてほしいことがあります。
それは、
尊敬
信頼
です。
人と豊かな関係を築くとき、
アドラー心理学では、尊敬・信頼を大切にしています。
これらが育まれていないと、うまくいかないというのです。
パートナーのことを思い浮かべてみてください。
どうですか?
あなたはパートナーのことを尊敬していますか?
あなたはパートナーのことを信頼していますか?
幸せな恋愛や結婚生活を送るために、
まずは、ここから始めてみてください。
じゃあ、尊敬・信頼が育まれていれば、
それで充分なのでしょうか?
実は、もう1つ大切なことがあります。
つい見落としがちで、
それでいて、本質的なことです。
それは、
時間
です。
「時間」 というのは、とても不思議な存在。
たとえば、
「今、ここ」
と思っていても、次の瞬間には、
それはもう過去になっている。
次の瞬間も、また次の瞬間も、
どんどん過去になっていく ・ ・ ・ 。
常に流れています。
一体、時間って何なのでしょうね。
そして、時間は人間の感覚に深く作用するのです。
どういうことかというと、
恋人や夫婦など、
その人と毎日のように会っていると、
相手のことが当たり前のようになってきます。
当たり前の存在になりすぎると、
雑な接し方になったり、
踏み込みすぎたり、
感情をぶつけたり、
親密になりすぎて、相手に対して、
尊敬や信頼の欠いた行動になっていきます。
しかもそれは、当たり前のような光景になって、
本人もなかなか気づかないものなのです。
時間とともに、無意識のうちに、
尊敬や信頼
感謝の気持ち
新鮮さ
いろいろなものが薄まっていきます。
時間って怖いですね。
昔からの諺に、
「親しき仲にも礼儀あり」
とありますが、このことを表しているのだと思う。
アドラー心理学的には、
「親しき仲にも尊敬 ・ 信頼あり」
ということなのです。
逆に、まったく会わないとどうなるでしょうか?
人は、会わないときが続くと、
時間とともに、徐々に、
その人のことを忘れてきます。
「遠くの親戚より、近くの他人」
という言葉がありますが、
時間の経過とともに、
いつも会っている人は、より親密に、
まったく会わない人は、徐々に疎遠に、
なっていくのです。
このことは、無意識にですが、確実に進みます。
人の気持ちって不思議ですね。
「去る者は日々にうとし」
という諺が真実をついているように思います。
ここで注意してほしいのは、
メールや電話ではなく、
会う
ということを言っているということです。
あなたにとって大切な人を思い浮かべてみてください。
その人と会うということを、
ちゃんと意識していますか?
メールや電話で済ませていませんか?
LINEやメール、電話などが発達している現代だからこそ、
もう一度 『会う』 ということの大切さを意識してみましょう。
ここまで書いてきたように、
『会う』 または 『会わない』 に対する時間の作用
みんな感覚的には分かっているのだけど、
ここをちゃんと理解して、意識して、
行動で実践できないといけません。
つまり、
パートナーといつも会っていると、
当たり前の存在になりすぎてしまう。
そこに気づいてほしいのです。
パートナーに対して、
感謝の気持ちは伝えていますか?
気遣いはできていますか?
もし、当たり前のように接しているとしたら、
ちゃんと感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
思いやりをもって接しましょう。
その人は、あなたにとって大切な存在なのです。
最後に、もう一度書きます。
パートナーと幸せになるためには、
時間の作用について、しっかりと理解して、
尊敬や信頼、感謝や思いやりを薄れないようにすること、
どうかこのことを忘れないでください。
【コラムの執筆者】
松岡 学
高知工科大学 准教授、博士 (学術)
数学者、数学教育学者
大学で研究や教育に携わる傍ら、
一般向けの講座を行っている。
アドラー心理学の造詣も深く、
数学の教育や一般向け講座に取り入れている。
音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。
ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。
出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。
『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。
< 関連記事 >