冬に聴きたいback number ~ 西藤公園 ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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冬になると back number の曲が聴きたくなる。

 

どうしてだろう?

 

 

それは、

 

 

白い息

ひんやりした空気感

せつない気持ち

 

 

それらが溶け合った風景が胸に浮かぶからです。

 

 

私は、back number の 「西藤公園」 を聴いて、

冬の印象が変わりました。

 

それまでは、冬は寒いし過ごしにくいなぁ、

というイメージでしたが、、、

 

この曲の出だしの歌詞が響きました。

 

 

「私は冬が好き、言葉が白く目に見えるから」

 

 

なんて素敵な言葉でしょうか、

 

しかも、この言葉をメロディーにのせて歌われると、

スッと胸に入り込んでくるのです。

 

私はこの一言で、冬が好きになりました。

 

 

そして、その冷たくひんやりした言葉は、

 

 

空に上がって消えていく

 

 

のです。

 

 

ほんのわずかな光景を、

こんなにも胸に染みる言葉で表現できるなんて、、、

 

ボーカルの清水依与吏さんは、

きっと繊細でデリケートな人なんだろうなと、

 

この曲を聴きながら想像しています。

 

 

 

 

この曲で、一番大切な想い

 

 

「私は冬が好き、僕は君が ・ ・ ・」

 

 

やはり、

 

この言葉に、すべてが詰まっていると思う。

 

 

私はこの言葉を聴くたびに、

もどかしい思いが込み上げてきます。

 

 

心理学的には、

 

未完了な思い

 

といいます。

 

 

私は大学で、教員養成に関わっています。

 

そのとき、

 

いつも学生たちに言うことがあります。

それは、教師にとって大切なことは、

 

「気持ちを完了すること」

 

なぜなら、私生活で悲しい出来事があったとして、

もしそれを学校の授業にまで引きずっていたとしたら、

 

それは生徒に失礼なことだし、

もはやプロの仕事(授業)ではありません。

 

ですから、

 

「気持ちを完了して、授業に臨む」

 

ことの大事さを、

教員を目指す学生たちに伝えるのです。

 

そして、

 

「未完了の感覚」 を学生たちに説明する際、

私はいつもこの曲を学生たちに聴いてもらいます。

 

「未完了」 という概念を、いくら言葉で説明しても

頭で理解するだけです。

 

だけど、この曲を聴いてもらえば、

心で理解することができます。

 

主人公の未完了な辛い思いが、

最後のセリフにつまっているからです。

 

 

 

 

この曲はイントロがなく、

ボーカルのカットインから始まります。

 

その逆に、

 

エンディングが長く、

歪んだギターがえんえんと鳴り響きます。

 

まるで、主人公の気持ちのように ・ ・ ・ 。

 

 

未完了の思いが、長いエンディングにつめ込まれ、

私の胸に突き刺さります。

 

なんてせつないのでしょうか、

 

唯一の希望は ・ ・ ・

 

 

 「少し遠回しに なるべく素直に言うよ

  次の春にでも」

 

 

という主人公の淡い決心。

 

それでも、ストレートに気持ちを伝える勇気はないのです。

 

好きな人に気持ちを伝えたくても、

 

 

少し遠回しに

なるべく素直に

 

 

それが精一杯なのです。

 

せつないですね。

 

 

そういえば、

 

次の春にはどうなったんだろう?

この主人公は気持ちを伝えられたのだろうか?

 

私はときどき、そんなことを思います。

 

主人公が自分の気持ちを伝え、

人生の一歩を踏み出せたことを願っているのです。

 

 

 

 

この曲に、続編はあるのだろうか?

 

そんなことを考えることがあります。

主人公がどうなったか気になるからです。

 

世間では、 back number の 「花束」 が続編だと言われています。

 

 

果たしてそうだろうか?

 

 

「花束」 は、幸せな恋愛を象徴するような素晴らしい曲です。

 

この曲を聴くと、幸せな状況が目に浮かび、

微笑ましい気持ちになります。

 

私も好きな曲です。

 

最後のセリフ

 

僕は君が好きだよ

 

が続編の根拠として言われています。

 

 

しかし、

 

もし続編だとしたら、ちょっと話が飛び過ぎているというか、

時間軸が進み過ぎているように思う。

 

なぜなら、 「西藤公園」 の主人公が、

「花束」 の主人公になるには、

 

まだまだ相当長い年月経験が必要だと思うからです。

 

 

 

 

そう思うと、私の感覚では、

 

「西藤公園」 の続編があるとしたら、

それは 「ヒロイン」 だと思う。

 

「ヒロイン」 も冬をテーマにした曲です。

 

そして、この曲の主人公は、

 

 

雪が綺麗と笑う君の横で、

 

君から見えてる景色に、

ただ怯えているだけなのです。

 

しかも、自分の気持ちの

 

「渡し方」 も

「捨て方」 も

 

分からずにいる。

 

なかなか一歩が踏み出せない。

 

さらに、

 

 

君の街に白い雪が降った時、

君は誰に会いたくなるんだろ

 

雪が綺麗だねって

誰に言いたくなるんだろう

 

 

そんなことを思っては、胸を痛めている。

 

 

せつないですね。

 

この心情は、「西藤公園」 のときと同じです。

 

そう思うと、 ヒロインの主人公は、

西藤公園の主人公と同じだと思えるのです。

 

 

しかし、

 

ほんの少しだけど、

確実に成長しています。

 

「君がいい」

 

この曲の中で、何度も繰り返されるフレーズ。

 

「それも君がいい」

 

「全部君がいい」

 

気持ちは、しっかりと 「君」 へと向いているのです。

 

その素直な想いに胸を打たれます。

 

 

まだ気持ちを整理できていないながらも、

 

好きな人と前向きに向き合う主人公に、

西藤公園の主人公の成長した姿を見ることができるのです。

 

 

西藤公園の主人公は、

次の春に気持ちを伝えたいと思っていたけど、、、

 

もしかしたら、伝えられなかったのかもしれない。

 

「ヒロイン」 を聴いていたら、そんな風に感じます。

 

 

ただ、次の春には、

気持ちは伝えられなかったけれど ・ ・ ・

 

何年後かの冬には、

「ヒロイン」 のような状況 (ドラマ) が待っていて、

 

そして、わずかだけど、確実に

成長した主人公の姿がそこにはあった。

 

 

「西藤公園」 と 「ヒロイン」 を続けて聴くと、

そんな気持ちにさせられます。

 

 

冬に聴きたい名曲です。

 

 

 

 

 

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