アドラー心理学と共同体感覚 | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

私は、アドラー自身による著書 『人生の意味の心理学』 を読んだとき、

 

「共同体感覚」

 

 という考え方が印象的でした。

 

 

共同体感覚というのは、難しい言葉ですが、

あえて意味を書くとしたら、

 

 

みんなの幸せのために、

自分は何ができるのか考えて、行動する感じ方

 

 

のことです。

 

 

つまり、

 

みんなの幸せのために協力的に考えて、

行動できることが大切なのです。

 

 

協力的の反対の言葉は、競合的

 

他人と競争的な感覚にならずに、

協力的な感覚を大事にするということです。

 

 

ただ、 これがすごく難しいのです。

 

 

野田俊作先生によると、

 

共同体感覚は、言葉で定義するものではなく、

体験的に感じることしかできない

 

といいます。

 

 

つまり、

 

 

頭だけで理解するのではなく、

心で感じて、

 

実践しなければ意味がない

 

ということだと思います。

 

 

野田俊作先生の書物には、

 

「アドラー心理学はお稽古事です」

 

とよく書かれています。

 

 

体験的に学び、

実生活で実践する

 

ことの大切さが伝わってくる言葉です。

 

 

 

行動をするときの考え方として、

アドラーは、

 

自分の利益だけを追求するのではなく、

他者への協力や貢献を考えて行動する人が成功する


と述べています。

 


本当にその通りだと思います。

 

 

思うのですが、


世の中、

自分の利益中心で動いている人が多いようにみえます。



ビジネスの世界では、「お客様本位」

という言葉がありますが、


実際、

 

私自身がお客さんとしてお店に行ったとき、
嫌な思いをすることがよくあります、、、

お客様とか関係なく、


相手のことを考えたらそんな言動はできないのになぁ、


と思い、そんなときはけっこうへこんだりします。


表向きには、「お客様本位」 と謳っていても、
実際は、お店の都合や論理が優先されているように感じるからです。

 

 

 


アドラーは、自分の利益だけを追求する人たちのことを

 


「彼らの成功の目標は単なる虚構の個人的な優越性であり、
 勝利は自分自身に対してしか意味を持っていない」

 

 

「もしも自分自身の意味が他者の人生への貢献にあるということを

認識しない時にはいつも誤るのである」

 


と述べています。

 


自分の利益だけを追求して成功した人は、

 

一時的にはうまくいくけど、

長続きしないのかなと私は思います。

 

 

アドラーは、

 

「人生の意味は全体への貢献である」

 

と述べています。

 
 

 

 

共同体感覚というのは、

 

その言葉からイメージするより、

 

とても広い意味で、

アドラーは捉えています。

 

 

アドラーの著書 『人間知の心理学』 には、

次のように書かれています。

 

 

~ ~ ~

 

共同体感覚は、家族だけではなく

一族、国家、全人類にまで拡大する。

 

さらには、

この限界を超え、

 

動物、植物や無生物まで、

 

ついには宇宙にまで広がる。

 

~ ~ ~

 

 

壮大な考え方ですね。

 

 

人間だけの視点ではなく、

 

 

花や木、山、海、

石、水、風、空気 ・ ・ ・

 

 

そんなすべてを包み込むようなが伝わります。

 

 

スピリチュアルな気持ちにもなりますね。

 

とても普遍的な考え方です。

 

 

人間だけの考えではなく、

自然を大切にしたいと思えます。

 

 

 

 

ところで、


”自分勝手” という言葉がありますが、


自分勝手にならないためにはどうすればいいのでしょうか?

 


それは、

 

「他者に興味・関心を持つ」

 

ことだと私は思います。

 


人間、どうでもいいことには関心がわきませんが、

 

好きなことや大切なことには

自然に関心をもつと思うのです。

 

 

そこを意識することで、

 

自分勝手ではなく、

他者と協力的な関係が築けると思うのです。

 

 

また、

 

人生の課題に直面して行き詰っているとき、
アドラーの次の言葉が、解決のヒントを与えてくれます。

 


アドラーは、人生の課題に直面して成功する人は、


他者への関心と協力を十分に理解しているように行動し、
困難に直面した時には、それらを他者の幸福と
一致した仕方で克服しようとする


と述べています。


これはとても大切なことだと思います。

私自身も忘れないように、
しっかり心にとめておきたいと思います。
 

 

 

 

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