白山神社 | またしちのブログ

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幕末史などつれづれに…

日本には八百万の神々がいるといいます。調べてみたら神社の数は10万を越えるそうです。

 

各神社にはそれぞれ創建にまつわる縁起がありますが、京都市の中心部、京都市役所のすぐそばにある白山神社(はくさんじんじゃ)の縁起はちょっと変わっています。

 

平安末期の治承元年(1177)、高倉天皇の御代、加賀の白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)に仕える僧徒らが朝廷に強訴しようと神輿三基を担いではるばる都にやって来ました。

 

が、訴えは退けられてしまったため、僧徒たちはやむなく神輿を担いで御所を退散するのですが、麩屋町通りの押小路を越えたところまで来た時に、重い神輿を担いぐのにくたびれたのか、ヤケクソになって神輿三基を下ろし、路上に置きざりにしたまま国へ帰ってしまいました。

 

神輿はしばらく放置されたままでしたが、見かねた住民たちが社を建てて神輿のうち一基を祀ったのが白山神社のはじまりだというのです(残りの二基のうち一基は八坂神社に奉納され、もう一基は個人が引き取ったという)。

 

「捨てる神あれば拾う神あり」と言いますが、この白山神社の神様は「捨てられちゃって拾われちゃった神様」と言えるんじゃないでしょうか。

 

夫婦和合や歯痛にご利益があるということですが、むしろリサイクルやエコロジーにご利益のある神様なのかも知れませんね。

 

・・・・・・ゴミの集積所になっちゃってるし。

 

 

 

周辺図。地下鉄東西線京都市役所前駅9番出口(赤い四角のところ)の階段を上がって右折してすぐです。

 

 

元はこの一画まるまる神社の境内だったそうですが、幕末の天明の大火と禁門の変のどんどん焼きで被害を蒙り、特に禁門の変では建物と古文書類がすべて灰になってしまったそうです。

 

それでも、コンパクトになりながらも再建され復活したのだから、やっぱりリサイクルの神様なのかも。