内容、物騒につき注意。

 

 

示現流じゃね?と言いたいところだけれど、私が思うに、どの武術が最強かなんてのは、銭こ払ってそういうものを習いにゆく余裕がある家庭で平和に育ったぼっちゃんたちの好む不毛の議論でしか無いように思える。

 

下手すりゃ自分の親に虐待され殺されるかも知れないようなロクでもない環境を生きてきたヤンキーや、もはや何も失うものがないために恐れを抱くことのない無敵の人みたいな連中のほうが、おそらく武術家なんぞより圧倒的に肝が据わっているし強いだろうと思う。

 

私がまだ学生のころにコインランドリーで拾い読みしていた女性週刊誌に、実戦空手で有名な武術家がよせばいいのにメシ屋でつまらん理由でヤンキー相手に喧嘩沙汰になって、ヤンキーが至近距離から投げてよこしたドンブリが顔に当たって前歯をへし折られて血だらけになり、それでも「ボクが殴り返したら相手が死んじゃいますからね」と奇妙奇天烈摩訶不思議なコメントをしていた記事があったのを思い出すが、私に言わせればヤンキーがとっさに機転を利かせて手元のドンブリを顔面めがけて力一杯投げて命中させたところまでが「実戦」であり、どう考えてもヤンキーの戦術的勝利である。ふだん実戦空手を標榜しながらドンブリ一つ飛んでくることを予見できず前歯をへし折られている段階で、その武術家については競技者ではあっても武術向きではない人なんだなとしか思えなかった。