『ザ・ロストシティ』 | 日々是(ひびこれ)デス・ロード

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〜芸能人たるもの、ファンを蔑ろにするな!!〜

夫を亡くし傷心の冒険ロマンス作家のロレッタはスランプに陥っていた。
カバーモデルのアランを伴った新作発表ツアーも自分のせいで大失敗。
積もりに積もったストレスから遂には癇癪を起こしてしまうロレッタだったが、そんな彼女を待っていたのは億万長者アビゲイル・フェアファックスだった。
変人かつ狂人のフェアファックスに拉致されたロレッタは、彼女の著作を真実と思い込んでしまっている彼によって大西洋に浮かぶ孤島に存在する伝説の古代都市の遺跡と、そこの秘宝である“炎の冠”探しに強制的に付き合わされる羽目になってしまう……。



いや〜、時間が空いたので遂に観れたよ『ザ・ロストシティ』!
もうね、本当に超面白かった!!
のっけからもうゲラゲラ笑いっぱなし!!笑
最近はね、ストレスがとにかくガチで溜まりまくっていて爆発寸前だったんですが、この映画を観た時くらいはしっかりと忘れることができましたよ。

お話は、まぁ…インディ・ジョーンズシリーズみたいな王道冒険アドベンチャー映画やらロマンシング・ストーンみたいな冒険ロマンス映画とかを期待すると肩透かしを喰らうとだけ言っておきますよ。

予告を見て分かる通り、忘れてはならないのが本作は完全にコメディ映画だということ。
そして、地味にアドベンチャー系の描写には気合いが入りまくっていて、サンドラ・ブロックとチャニング・テイタムが減らず口を叩きながらジャングルを走り、ヒルがいっぱいいる濁った川を渡り、断崖絶壁を登ったり――とにかくハリウッドスターの二人がもれなくズタボロの泥まみれになります。
この潔さよ!!

サンドラ・ブロックに関しては、その成り行き上、イベントでのこのバカみたいなテッカテカな貸衣装を着たままジャングルの中をアドベンチャーすることになるので、この間抜けさ加減がパない!(褒)

個人的に特にお気に入りなのは、川から上がったあとにチャニング・テイタムの背中や腰やら、なによりぷりケツにくっついたヒルの大群をサンドラ・ブロックが吐き気を催しながら地道に引っ剥がすシーン。
チャニング・テイタムが非常に潔よくぷりケツを画面いっぱいに晒しますよ〜!爆
あそこはもう笑いっぱなしだったです爆

いや〜ん!

映画『26世紀青年』では「知能指数が下がりまくった未来人たちが野郎のどアップのぷりケツを映画館の大スクリーンで観て笑い転げる」という文明レベルやモラル低下への皮肉がたっぷりと描かれていますが、すまんな、やっぱ野郎のぷりケツは本当に不意打ち過ぎて未来人でなくても即行で笑うわ!!爆

しかも、その直後にチャニング・テイタムのナイスガイな巨大なヒルをその目にしっかりと焼き付けてしまうサンドラ・ブロックもとい主人公ロレッタなのでした!!爆


そんなチャニング・テイタムは『21ジャンプストリート』シリーズでもそうだけど、脳筋バカを演じさせたら右に出る者は居ないハリウッドスターだと個人的には思います。
最近はジョン・シナあたりが脳筋バカ系の路線に行ってる感はあるけど、チャニング・テイタムの方にやはり圧倒的に軍配が上がる。

それに、チャニング・テイタムは所謂「目で演技をする」俳優の一人であり、繊細な心を持つキャラを演じるのがかなり巧い印象。
関係者ではないので彼の素顔はわからないけど、チャニング・テイタムはかなりのインテリだと出演作を見るたびに思います。

で、本作のチャニング・テイタム――つまりアランは、本当に根っからのバカなんだけど、その実すごく思いやりがある本当に優しい男なんですよ。ただバカなだけで。本当にバカなだけで。

本作は、そんなアランの素顔が判明するまでの過程が実に秀逸で唸ります。

途中、早朝の山頂のやりとりで遂にアランの素顔が明かされるんですが、非常に良かったです。
ロレッタへのアランの説教が本当に胸を打つんですよ。
これは世の中にごまんと溢れる業界人という輩はもれなく正座しろですよもう!!

アランは故郷の街から出たくて、その手段としてモデルしかないと思ってロスの地を踏んだ。
そんな中で幸運にもロレッタの著作のカバーモデルに選ばれることに。
でも、役作りのロン毛のウィッグはめちゃくちゃ恥ずかしくて、友だちにも連絡できない。
そんなある日、通りでファンの女性が自分を見つけて呼んでくれた――役名の“ダッシュ”、と。
その時、頑張らなくてはならないと思った――。

「ファンを蔑ろにするな!!それは失礼だよ!!」

アランの身の上話とアランの本心をここで視聴者は初めて知ることになるわけですが、これらを踏まえてまた最初から見返すと本当に泣けてきます。
少なくとも俺は泣けた。

アランがいかにファンを大切にしているか、いかにプロ根性があるか、いかに与えられた仕事をちゃんと頑張っているか――。

それまで被害者みたいな描かれ方をされていたロレッタ。
そこから180度一変するこの展開は本当に凄い!!
ちゃんと猛省したロレッタも勿論偉いすよ!

そして、クライマックスに向かって男度をグングンと上げていくアラン!
ブラピの足を引っ張ってばかりだったただのバカが、想い人を救うために活躍する、そう…正真正銘のヒーローになる瞬間である!!
ロレッタは「私には、こんなダッシュは書けなかった」と最後まで言うけれど、男の俺からしたらアランは再び攫われたロレッタを救おうと、「彼女がピンチなんだ!車を貸してくれ!頼む!!」と必死こいて腕時計をぶら下げながら人々に訴えて、そんでもって装甲車をマジな目をして勇ましい面構えで追っかけていった時点でもう正真正銘のロレッタの著作の中の完全無欠のスーパーヒーロー・ダッシュその人なんですよ!!
見栄より中身ですよ!!
ロレッタが自分が作ったダッシュとアランは違うと最後まで言っていたのが、そんな意味ではないとわかってはいるけれど、でもなんか悲しかったです。

で、あとは悪役のダニエル・ラドクリフもアホな悪役していて良かったです笑
装甲車にニミバーを作っちゃうとかもうね笑
…でも、もっとクレイジーに突き抜けても良かった気がしますよ?

そいで、ゲスト出演のブラピ。
ポストクレジットで案の定ちゃんと生きてましたが、これってやっぱ「ハリウッドスターは絶対に死んじゃいけない」というハリウッド業界のルール?みたいなのの皮肉なんですかね?知らんけど。


と、まー、もーねー、本当に続編が心底欲しい映画でしたよ!!
久々に頭をからっぽにして家族揃って楽しめました!

あと、サンドラ・ブロックは『スピード』を初めて観たときから好きな女優さんだし、東日本大震災ではハリウッドスターの中でもいち早く日本への支援を呼びかけて支援をしてくれたうちの一人なのは周知の事実ですが、本人は「人として当たり前」みたいに言ってるけど、やはり一日本人として感謝しかないのです。
だから、もっと活躍を見たいし、女優業休業の報はあまりにも悲しいなぁ…。