『ブルー・バイユー』 | 日々是(ひびこれ)デス・ロード

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自分の好きなものについて垂れ流していくブログです。基本ネタバレ全開なんでそこんところ注意。



〜物事の手続きはちゃんとしよう!!〜


僅か3歳にして韓国からアメリカへ養子に出されたアントニオ。

それから30年以上経った現在、アントニオは妻子と貧しくも幸せな生活を送っていた。

ある日、妻との些細な口論の末に警察による過剰な暴行を受けて逮捕されてしまったアントニオ。更に、そんな彼に待っていたのは身の毛もよだつ衝撃の事実だった。

なんと、彼には正式な養子縁組が一切されておらず、生まれ故郷へと否応なしに強制送還されるというのだ――。




酷ぇ…。酷すぎる…。

そんな映画です。


もうね、初っ端からなんか胃袋が重くなるというか…。


主人公の韓国系アメリカ人・アントニオはタトゥーの彫り師。

もうすぐ第二子が産まれそうなアントニオ一家は非常〜に細々と暮らしている。


で、上の娘ジェシーは妻キャシーの連れ子。

難しい年頃なのか、まだ腹の中の下の子にジェラシー全開。


そんな中で、アントニオは懸命に職探しをするも見た目がアジア人ということと前科があるという理由から、仕事の面接に見事に撃沈。


アントニオ一家はもうすげーピンチな感じ。


その矢先に、屑警官二人に目を付けられたアントニオ。

一人はキャシーの元夫。そして、超厄介なのがその相棒のデブ。

デブは大変な基地の外であった。

そんなデブにいきなり暴行を受けてアントニオは逮捕されてしまう!

酷え!!


しかも、更に最悪なことに当局によってアントニオの30年以上前の養子縁組の書類に不備があることが発覚!アントニオは生まれ故郷である韓国へと強制送還するという決定が有無を言わせず下されたのでした…。

アントニオに与えられた選択肢は二つ。このまま処分を受け入れて強制送還されるか、それとも当局と裁判で争うか――。

前者はとてもじゃないが話にならないアントニオ。かといって裁判を起こすには多額の金が要る…。


裁判を起こし、国と戦うことにしたアントニオ。

まず手始めに5000ドルが必要という!

で、自分は今は善人であることを友達や周りを呼んでアピールせい!と。


だが施しは受けないからと、挙げ句の果てにワルの仲間と共にバイクショップへ強盗に入る始末!

で、アントニオは無事に警察に目をつけられてしまうのでしたとさ!


なんでさぁ…、向こうってこういう思考なのかねぇ…(;´∀`)

理解は出来るが、なんで自ら泥沼に入るのかしら。


で、本当に運が悪いことに、例のクソデブ警官とその仲間たちによってアントニオは裁判の日に壮絶なリンチに遭ってしまう!


当然、アントニオは裁判には顔を出せず、更には会場に来た人もほんのごく数人しか居ないという…。


そんなアントニオを描きつつ、余命僅かなベトナム難民の女性・パーカーとアントニオの交流が描かれます。

これがまた本当に切ない。


結局、アントニオは強制送還に。

お互い涙を流し叫びながら抱き合うアントニオとジェシー。


その二人が切り離されて、物語は終わり。


幕引きでは、現実に養子縁組の不備があった人々が挙げられ、この映画が決してフィクションではないということがよくわかります。


本当に、本当に救いようがない映画です。


日本も他人事ではないかもなぁ…。