『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』シーズン1感想 | 日々是(ひびこれ)デス・ロード

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〜個性爆発!仏ったまげ名コンビ誕生!!〜

フランス。
パズルや謎解きが大好きな、パリ犯罪資料局文書係の自閉症の女性アストリッド・ニールセン。
離婚歴アリ、大雑把でガサツで大胆だが広く温かい心の持ち主であるパリ警視庁の警視ラファエル・コスト。
とある精神科医の焼身自殺事件を機に、一見するとチグハグに思える二人はコンビを結成。数々の不可解な難事件に挑んでいく!



地上波での本放送は知らず、再放送も一部見逃し、アマプラビデオにて補完してやっと完走しましたよ『アストリッドとラファエル』!

いや〜もう、うちの両親(特に母)とドハマりしましてね。
本当に久々に個人的に大アタリな海外ドラマに出逢えました!

本ドラマの大きな特徴は、主人公のアストリッドが自閉症キャラということ。
自閉症にはじまり様々な精神疾患などをテーマにして、時に真面目に、また時にユーモラスに、嫌味無く描いています。

かく言う俺も現在はとある精神病を患っておりまして絶賛治療中なわけですが、アストリッドの挙動とかを見ていて、俺は自閉症ではないですが、確かに「こういうみたいなことあるある〜」みたいに頷いたりして楽しみながら観れました。

基本的に各回の事件はジャンル?というかそういう類が様々で、日本人の身で言うなればドラマ『相棒』的な感じかな。
各回のオチは比較的重いほうだと思います。

でも、本ドラマは事件でどうこうというよりかは、人間ドラマの比重の方が大きくて、それでいてそれがとても秀逸だもんだからドラマの質が物凄く高くて大変素晴らしいんですよね。

アストリッドがユニークで可愛いわけですが、このドラマでなにが良いかってラファエルですよ!
ラファエルが全くイヤミがなくて本当に清々しいくらい姐御&肝っ玉母ちゃんキャラなので、本来ならばかなり陰鬱とするような物語も本当に良い塩梅で浄化されているので最高でした!

一方のアストリッドも回を追うごとに少しずつ人間的に成長していくんですが、その描き方が本当に素晴らしい!
これまでずっと立ち止まっていたアストリッドが自ら一歩ずつ歩き出す様が見ていて涙を誘います。
ま、なんつーかアストリッドもなんとなく丸くなってくんですよな。
そんな中で、シーズン1最終回はまぁ予定調和というか、ドラマあるあるでアストリッドがサイコパスに誘拐されて生命の危機に瀕するわけですが、ここでの彼女の精神的変化&成長の成果が発揮されるのが良かったです。

また、アストリッドとラファエルを取り巻くレギュラーキャラ達も警視正は微妙でしたが他のメンバーは個性的で良かったです。
個人的には特に、いつもアストリッドに論破されまくる皮肉屋で尊大な(笑)フルニエ先生と、アストリッドが通う“社会力向上クラブ”のリーダー的なウィリアムが好きですね。
最初はアストリッドを馬鹿にしたり敵対心を丸出しにしていたフルニエ先生。次第にアストリッドを認め、自らを省みて仕事への闘志を燃すに至る。そんな彼がシーズン1最終回でアストリッドにこれまでのことを心から謝罪し、アストリッドに感謝するのが凄く良かったです。
ウィリアムはパイロット版から活躍してましたが(笑)、彼の兄とのエピソードが良かったです。
あの回は何気に本シーズンでは一番好きですね。

段々と周りから認められてきたし、自らも人間的に成長していけるという絶頂期の矢先、アストリッドがガイヤールさん(アストリッドの上司であり後見人)を失う展開はあまりにも辛い。

でもそれさえも糧にして、アストリッドは前に進む。というか、進み続けなければならない。
人間、皆そうだ。


『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』はめちゃくちゃ良いドラマでした。
刑事ドラマとしても、人間ドラマとしても。

個人的には海外ドラマは吹き替え派なんですが、貫地谷しほり吹き替えのアストリッドと林真里花吹き替えのラファエルが素晴らしいんですよね。
特に貫地谷アストリッドはオリジナルよりも、「あ」や「ふふん…」というアストリッドの呟きを強調している印象なのでアストリッドの個性が分かりやすいです。

シーズン2も当然、視聴継続中です!b